“Go for it マレーシア教育移住日記”にご訪問いただきありがとうございます。
マレーシアのインターナショナルスクールではおよそ8割の学校が採用している ケンブリッジ式 のカリキュラムですが、その仕組みは日本人にとって馴染みがなく難解です。
イギリス式のインター校に入ると我が子も学ぶ ケンブリッジ式 カリキュラムについて、前編と後編の2回に分けてご紹介したいと思います。

【#11】マレーシアで学べる教育カリキュラム、 ケンブリッジ式 の基礎知識 – 前編 –
マレーシアは ケンブリッジ式 が大多数
先日記事にした「【#8】超保存版!クアラルンプールのインターナショナルスクール完全一覧」をご覧いただくと分かるように、マレーシアにはイギリス式のインターナショナルスクールが多くて、そのほとんどがプライマリーからケンブリッジ式を採用しているんです。



親の立場としては、“海外で学ぶこと”を決めると同時に“どのカリキュラムで学ぶのか?”も併せて考えないといけないんです。
ケンブリッジ式 カリキュラムとは?
Cambridge Internationalとは
ケンブリッジインターナショナルは、ケンブリッジ大学傘下の教育組織であり、5歳から19歳までの世界で最も普及している国際教育プログラムの教育資格を提供する国際教育機関です。
ケンブリッジインターナショナルが提供する“国際資格”は、世界中の教育機関により“大学入学資格”として認められています。
2019年7月現在、約160ヵ国、10,000校の学校において、ケンブリッジインターナショナルのプログラムと資格が提供されています。
ケンブリッジのプログラムは科目単位で理解を深めるだけでなく、各科目を統合して学際的に理解することにも重きを置いています。また、問題解決力、クリティカルシンキング、自立的研究、コラボレーション、そして議論・プレゼンテーションを含む、より高次元の思考力を身につけることを奨励します。
引用元:
Cambridge Assessment International Education
https://www.cambridgeinternational.org/
要するに、世界中で認められた大学入学資格を提供する教育機関ということです。
日本ではケンブリッジ式はほとんど認知されてなくて、IB(国際バカロレア)のほうが断然知名度が高いですが、世界的に見ればケンブリッジ式のほうが多くの国で採用されているんです。
採用カリキュラムの数
項目 | ケンブリッジ式 | IB(国際バカロレア) |
---|---|---|
採用国数 | 160ヵ国 | 151ヵ国 |
採用学校数 | 10,000校 | 4,460校 |
Cambridge Assessment International Education
我が家の ケンブリッジ式 体験談
現在、私の次男はコタキナバルにあるケンブリッジ式インターナショナルスクールのYear11です。イギリスの義務教育は11年(プライマリー6年+セカンダリー5年)なので、次男は最終学年に在籍しています。
次男は、コタキナバル日本人学校の中学部を卒業後に、インターナショナルスクールに入学しました。
我が家は“教育移住できる場所”という点を優先に考えていたので、結果的に選んだコタキナバルで、当時高校1年生の長男が入学できるインターナショナルスクールを調べたところ、ケンブリッジ式の学校しか選択肢がありませんでした。
でもこれは仕方なくということではなく、むしろケンブリッジ式があって良かったと思いました。
“高校生の年齢からいきなりIB(国際バカロレア)を始めるのは無謀だ”と聞いていたし、世界中に広く定評のあるケンブリッジ式という教育プログラムを学ぶことは、おそらく失敗する確率が低いのではないかと思いました。
参考資料も、過去問も、オンラインの学習ツールも、経験者もたくさんいる。これは高校1年生という年齢で新しいことを始める長男にとっては、かなりの安心材料でした。
マレーシアで学べる教育カリキュラムは、
- ケンブリッジスクール(イギリス式)
- IB(国際バカロレア)
- アメリカンスクール
- オーストラリアンスクール
- カナディアンスクール
- 日本人学校(日本の学校教育法に準拠)
当然ですが、それぞれ別のカリキュラムです。
そしてよく、日本の友人に聞かれるのは、“マレーシアの教育はどう?”という質問です。
私たちは、マレーシアに住んでマレーシアで学校に通っているけど、マレーシアのカリキュラムの学校に通っているわけではないので、教育カリキュラムについては詳しく知りません。
なぜなら、場所はマレーシアでもケンブリッジ式で学ぶということは、教科書もイギリスの出版物、新学期の開始時期や卒業時期、イベントやホリデースケジュールもイギリスに準じているということです。ちなみに、祝日はマレーシアの祝日に準じるのですけどね。
実際、マレーシアンスクールとは新学期の時期もホリデーの時期も異なるので、今日は渋滞がないなと思うとマレーシアンスクールがホリデーに入っていたりします(笑)
つまり分かりやすく言うと、“マレーシアの中なのにイギリスで学んでいる”というような感覚です。
日本で小学校5年生といっても、ケンブリッジ式ではセカンダリースクール(中学校)の1年生(Year7)なので、“まだ小学生なのに、もう中学生なの?”という思いはありました。
初年度のYear7で苦労したのは英語力です。
まったく英語が話せない、勉強したこともない、聞き取れない。そんな状況で英語の学校の中に放り込んだわけです(笑)
最初の3ヶ月(1学期)は親が生活に慣れるのに必死だったこともあり、子供のことは放ったらかし状態でしたが、3ヶ月も経つと友達とのコミュニケーションは少しずつでき始めていて、覚えた単語ベースでの会話していたようです。
現在はまだYear9なので、本格的にケンブリッジ式のアセスメントが始まるのは来年のYear10から。今からちょっとビビってますが、息子は今、Year9のカリキュラムを一生懸命頑張っています。
うちはかなりのチャレンジでした。
長男がインター校に入ったのは、Year9のTerm3(3学期)。2ヶ月後にはセカンダリースクールで最も重要なYear10に進級できるかどうかの査定が予定されている時期です。
オーストラリアへの留学経験があったとはいえ、初めてのケンブリッジ式。しかも学年の途中から…
正直、当時の先生は“太鼓判は押せない”という感じでしたが、クラスに馴染めていることや学習に意欲的なことが評価され、Year10への進級を認めていただくことができました。
ABCの評価はありますが、先生からのコメントがとっても多い。コメントの内容も、とにかく良いところを拾ってくれる。時には、“人気者で他の学年の生徒とも仲良しです”という無理繰りな評価もありましたが…(笑)
日本でよくある、“これができていない”、“あれがダメ”ではなく、“これができたらもっと良くなるよ!”という評価の仕方。
これは長男には合っていました。
日本の公立中学では“ダメだダメだ”と言われてきた長男ですが、私から見るといつも仲間に囲まれて友達が大好きで学校が大好きな“純粋”な生徒でした。
でも、“あれができない、これもできない”と言われることが多かった。
“そんなにダメですか?”と先生に聞いたこともあります(笑)
ケンブリッジ式 のアセスメント(試験)
ケンブリッジ式インターナショナルスクールに通って何を目標に勉強するかというと、Year10からYear11に渡って行われる“IGCSE”の最終評価です。
ケンブリッジの最終評価は、Year11の最後に行われるIGCSE(International General Certificate of Secondary Education=一般中等教育修了試験)のスコアです。
わかりやすくいうと、イギリスの義務教育修了試験のことです。
(IGCSEについては、後日詳しくお話しします)
日本にも中学の卒業試験はありますが、意味合いとしては、単に“卒業できるかどうか?”という感じですよね。
その先の大学準備課程であるA-Levelを受けなくても、IGCSEのスコアだけで入ることができる大学もあるんです。ただ、A-Levelに進んで希望の大学に見合う好成績を納めた場合には、イギリスをはじめ世界各国のさまざまな有名大学への入学の可能性が高まります。
学年が上がるにつれて不得意な科目を捨てていく感じです
学校にもよりますが、マレーシアのケンブリッジ式インター校では9教科の成績でセカンダリースクールを卒業するのが一般的です。そのうち5科目でC以上のスコアを取れば、IGCSEの修了認定は取れるということになります。
さらにその先のA -Levelでは、1年目に3〜4科目を選択して最終スコアを取得するのが一般的です。
IGCSEもA-Levelも、好成績を残すための戦略としては、“得意な科目”、“よりA評価が取りやすい科目”だけを規定数取ればいいのです。
まだまだ奥が深いな、ケンブリッジ式…

まとめ
ほとんどがケンブリッジ式を採用している
ケンブリッジ式セカンダリースクールの最終目標はYear11の最後に実施されるテスト“IGCSE”
IGCSEの先にA-Levelがあるが、A-Levelを経ずにIGCSEだけで入れる大学もある
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次回に続く
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