“Go for it マレーシア教育移住日記”にご訪問いただきありがとうございます。
マレーシアに教育移住した時に 英語力 はゼロだった当時小学5年生の息子が、2年間の留学を経てどこまで伸びたのかという素朴な質問について、我が家の実例をお話しします。
多くの英国式インターナショナルスクールでは2年経過後の基準とされているケンブリッジ英検のB1 Preliminary (PET)の合格が目標です。


【#35】 英語力 ゼロだった小学5年生が留学して2年、 英語力 はどこまで伸びた?(目標はケンブリッジ英検 B1 PET 合格)
EAL(英語補講クラス)のシラバス
息子が以前に通っていた学校も今の学校も、EAL(English as an additional language:英語補修クラス)のシラバス(授業計画)が一応あります。
前の学校のシラバスは簡単な表に学習内容がいくつか箇条書きにされている程度だったので、どの学年までにどの水準の英語力の習得を求めるのか基準が明示されておらず、かなり曖昧なのでEALの先生に質問してはみましたが、“あの先生はグラマー、あの先生はリーディング、あの先生はフォニックスをやってるよ”といった具合で、体系的なことをまったく答えてくれませんでした。
当時の1学年上の先輩の子に聞いたところ、“Year7の終わりにKET、Year8の終わりにPETというテストを受けます。Year8でPETに受からないとヤバいですよ…”ということを教えてくれました。
その時は初めて聞く単語でまったく知識がありませんでしたが、調べてみるとケンブリッジ式英検のグレード(級)のことで、それぞれKET(Key English Test)、PET(Preliminary English Test)の略称とのことのようです。

ご参考までに、文部科学省のホームページにあるケンブリッジ英検の資料を先にご案内しておきます。
文部科学省一方で、その後に転校した今の学校ではシラバスにEALでの学習内容と各学年ごとに要求される英語の習得レベルがしっかり明記されており、学校が求める英語力のレベルがようやくはっきりしてきました。
今の学校のEALのシラバス

ケンブリッジ英検の詳細についてはここでは割愛しますが、日本の英検やIELTSとどう対応するのかについては、ケンブリッジ英語検定機構のホームページに以下の表で説明されています。
引用元: ケンブリッジ大学英語検定機構 (日本)
https://cambridgecentre.jp/exams/cefr/
これを見ると、世界統一基準のCEFR(セファール)*、ケンブリッジ英検、日本の英検はそれぞれ以下のように対応するとのことです。
学年 | CEFR* | ケンブリッジ英検 | 日本の英検 |
---|---|---|---|
Year7 | A2 | KET | 準2級 |
Year8 | B1 | PET | 2級 |
Year9 | B2 | FCE | 準1級 |
*CEFR(セファール): Common European Framework of Reference for Languages の略で、あらゆる英語検定の共通尺度となる指標のこと。

各校で独自のEAL修了基準がある
以前に通っていた学校では、Year7から留学をスタートした子は Year8までの2年間でPET(英検2級に相当)の合格水準の英語修得を目安とし、それからEALを卒業してメインストリーム(EALなしの本来のカリキュラム)に移行します。EALを卒業することで、Year9からはこれまでEALに充てていた時間(コマ)を正規の科目に充てられるようになり、Year10からはいよいよIGCSEに突入していくことになります。
一方で、今の息子の学校ではYear9でもPETの上にFCE(First Certificate in English:英検準1級に相当)レベルのEALクラスがあり、IGCSEが始まるYear10でもEALクラスに残る子もいます。手厚いといえば手厚いのですが、いつまでEALをやるのかと不安になることもあります(汗)
上記2校の事例を見ると、EALを卒業するために要求される英語レベルは学校によってそれぞれ独自の基準があるということです。
2つの英検にトライ
前の学校ではちゃんとしたEALのシラバスもなく、授業を覗けない親としてはEALでどのような学習をしているのか詳細を掴むことは難しかったのですが、今の学校では各学年のEALで求められる英語力の基準が示されたことでやるべきことが明確になりました。
すなわち、今の学校ではYear8終了時点でPET(英検2級に相当)の合格が基準となり、我が家ではYear8が終わったタイミングで僕と息子で話し合い、力試しで英検を受験してみようということになり、英検2級とケンブリッジ英検のPETをダブル受験することにしました。
日本の英検2級の結果
ご存知のとおり、英検は4技能(reading、writing、listening、speaking)の試験です。
息子の場合、セカンダリースクールに入ってからPCを使うようになっていたのでQWERTYキーボードにも慣れており、PCでテストを受けるCBT(Computer based test)方式で受験しました。
結果は以下のとおり。

総合合否 | 合格 |
4技能総合スコア | 2267点/2600 (87.2%) |
CEFRレベル | B1 |
4技能を個別にみると、以下の得点。
Reading | 543点/650 (83.5%) |
Writing | 596点/650 (91.7%) |
Listening | 634点/650 (97.5%) |
一次合計 | 1773点/1950 (90.9%) |
一次バンド | G2 + 10 |
一次合否 | 合格 |
Speaking | 494点/650 (76.0%) |
二次バンド | G2 + 2 |
上の表で“バンド”というのは、最低合格点からどれだけ乖離しているかを示す指標だそうで、プラス(+)の場合は上方乖離(高得点)ということのようです。
そのバンドは一次試験としてのReading、Writing、Listeningの3技能で“+10”となり、合格水準点からは上振れていることが分かります。一方で、Speakingは“+2”とほぼ平均に近い結果です。
本人によると、CBTの場合Speakingテストは人と人との対面ではなくPCに向かって質問に対する回答を録音する方式でいまいち勝手が掴めなかったとのことでしたが、概ね想定どおりに結果となりました。
ケンブリッジ英検PETの結果
ケンブリッジ英検も日本の英検と同様に4技能(reading、writing、listening、speaking)の試験です。
結果は受験から約6週間後にオンラインで確認できるとのことで、私たち親子はちょうどマレーシア入りしていたので、隔離中のホテルから合否を確認しました。
結果は以下のとおり。

Result | Pass at Grade B (グレードBで合格) |
Overall Score | 153点 (140〜160) |
CEFR Level | B1 |
グレードBというのは、合格範囲の中でも真ん中より上のレベルだそうです。
4技能を個別にみると、以下の得点。
Reading | 152点 (140〜160) |
Writing | 140点 (140〜160) |
Listening | 152点 (140〜160) |
Speaking | 168点 (140〜160) |
こちらも英検同様に、ほぼ想定どおりの結果。
結論としては、EALを2年やるとだいたい英検2級(=PET)のレベルには達するという学校の見解どおりの結果となりました。
実際、息子より2学年下で同時期に留学した子たちも、2年間インター校に通ったら英検2級には受かっています。
ちなみに、ケンブリッジ英検は日本の英検と違って有効期限はなく一生の資格として認められているので、それもメリットですね。

CEFR(セファール)の基準についての感想
僕自身が物事を多面的に見ないと気が済まない性格ということもあり、今夏は日本の英検とケンブリッジ英検の2つのテストを受けてみましたが、CEFRの基準(日本の英検2級、ケンブリッジ英検PETともにCEFRのB1)に照ら合わせてみると、両テストとも結果は“B1の真ん中よりちょい上”ということで、ほとんど同じ水準での着地となりました。
ここから感じたのは、“CEFRの基準はやはり統一尺度としてValidだな”ということ。信頼性・妥当性が高く、個人的には信頼できる尺度だなと思いました。
これから先、大学受験に向けてIELTSやTOEFLなどのテストを受ける機会があると思いますが、CEFRの尺度でPETや英検2級の結果からどれくらい英語力が伸びたのかを測ることができるので、非常に有効な指標だと感じます。その意味では、この夏に2つの英検を受けて良かったなと思います。
テストでは測れない 英語力
でも、現実の学校ではEALと併せて正規のEnglishの授業があり、正直なところ息子の英語力はEALが必要ないメインストリームの子たちと比べたら、まだかなりのビハインド。
Listeningはある程度問題ないレベルにまでなってきましたが、Speakingはまだまだ伸ばさないといけないし、さらにはWritingはもっともっと高い次元でのトレーニングが必要となってきます。
テストでは測れない足りない部分がまだまだある…
というのが現時点での率直な実感です。
IGCSEが始まるYear10までにすべきこと
IGCSEの幅広い科目で成績を伸ばすには、何はともあれ英語力を底上げしていかないといけません。
親としてもできるだけ息子の学習をフォローしていけるよう、あの手この手を使ってサポートしていきたいと思います。


まとめ
力試しにケンブリッジ英検や日本の英検を受けることは一定の目安となる
英検はあくまで指標にすぎず、現実の英語力が伸びているのかどうかが重要
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