“Go for it マレーシア教育移住日記”のブログにご訪問いただきありがとうございます。
マレーシアに教育移住した当時、英語力ゼロの小学5年生の息子ですが、2022年7月にYear10が終了し留学満4年となりました。
以前、英語力測定のために留学満2年が終わった際に英検2級とケンブリッジ英検B1(PET)を受験したことを記事にしましたが、それからさらに2年経ち、彼の英語力がどこまで伸びたのかを確認するため、父と子の2人でIELTSを受験しガチンコ勝負することにしました。


【#160】英語力ゼロだった小5が留学して丸4年、英語力はどこまで伸びた?父と子が IELTS でガチンコ勝負した結果
我が家の英語力定点観測タイムライン
息子は英語力ゼロでも受け入れてくれるインターに入ったのですが、当初は通学生だったこともあり、1年目の英語力の伸びはかなり限定的。
学校では英語で授業を受け友達と遊んで生活しているももの、帰宅すれば家庭内では日本語で話してしまうので、僕は正直なところ、“彼はいつになったら英語をしゃべり始めるのだろうか?”といつも不安な気持ちで過ごしていました。
そんな息子は2年目からボーディングを開始し、同学年に日本人生徒ゼロ、同じ寮にも日本人男子ゼロという環境下で24時間を英語のみで生活することになったため、そこからはジワジワと彼の英語力が伸びていったことを感じ取ることができました。
そして、留学満2年が終わった夏休みに、“実際に英語がどれだけ身に付いたのか?”を測るため、英検2級とケンブリッジ英検B1(PET)をそれぞれ受験してみたのです。
◉ 我が家の英語力定点観測タイムライン

【第1回定点観測】留学満2年終了時 (英検2級, ケンブリッジ英検B1-PET)
以前に、『【#35】 英語力 ゼロだった小学5年生が留学して2年、 英語力 はどこまで伸びた?(目標はケンブリッジ英検 B1 PET 合格)』でご紹介したとおり、結果は英検2級とケンブリッジ英検PETともに合格となりました。

英語力ゼロで丸2年経過という同じ条件の子たちと比べてみると、息子がとりわけ優秀でもなく、また特に劣後しているわけでもなく、極めて普通のレベルで英語が身に付いてきているように思います。
学校からの期末レポートでは、EALの成績のところに「on track」と書かれていたので、まあまあ順調に進んできているということだったのだと思います。
【第2回定点観測】留学満4年終了時 (IELTS)
親の立場で見ていると、英語力の伸びというのは時を経るのに比例して直線状に伸びていくものではなく、ある時いきなり進歩してまた停滞し、それを繰り返すというような階段状で伸びていくように感じます。
なので、我が家では力試しの英語検定を毎年受ける必要はないと考え、グイッと伸びる瞬間を気長に待つため、2年に1回の頻度くらいでちょうどいいかなと思っています。
ということで、今回は留学をスタートして満4年が終わったタイミングだったので、2回の実力テストとしてIELTSを受けてみることにしたのです。
IELTS の概要
そもそも IELTS とは
IELTS(アイエルツ)の名称は、マレーシアに留学している生徒さんやこれから海外の大学を目指そうとしている学生さんにはお馴染みかもしれませんが、保護者の立場からするといまいちピンとこないので、ひとまずIELTSについて簡単に説明したいと思います。
IELTSの概要については、日本でIELTSの試験実施機関となっている英検協会のHPに分かりやすく記載されています。
IELTSとは
International English Language Testing System(IELTS: アイエルツ)は、海外留学や研修のために英語力を証明する必要のある方、およびイギリス、オーストラリア、カナダなどへの海外移住申請に最適なテストです。
イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドのほぼ全ての高等教育機関で認められており、アメリカでもTOEFLに代わる試験として入学審査の際に採用する教育機関が3,400を超え、英語力証明のグローバルスタンダードテストとして世界中で受験者が増え続けています。
IELTSはブリティッシュカウンシル、IDP(IELTSオーストラリア)、ケンブリッジ大学英語検定機構の3団体が共同運営で保有する試験で、世界140ヵ国の1,600以上の会場で受験することができます。
公益財団法人日本英語検定協会は、日本国内における実施運営及び広報活動をしています。
※ IELTSは16歳以上での受験を推奨しています。
引用元: 日本英語検定協会『IELTS公式サイト』
平たく言うと、IELTSとは英・豪・NZ・カナダの大学留学を目指す際の英語能力検定ということです。
IELTSは大学進学を目指す「16歳以上」での受験が推奨されているので、低学年であればあるほど馴染みがないのはしょうがないわけです。
IELTS を共同運営する3団体
IELTSは、英国の非営利団体であるブリティッシュカウンシル、同じく英国のケンブリッジ大学英語検定機構、そして豪州の教育事業者である IDP Education の3者によって共同で運営されています。
IELTSは大学進学時の英語能力証明という位置付けのみならず、イギリスの就労ビザ申請のための英語能力証明としても利用されています。
以下に、3つの団体をさくっとご紹介します。
◉ ブリティッシュカウンシル
https://www.britishcouncil.jp/
ブリティッシュ・カウンシル(英: British Council)は1934年に設立されたイギリスの非営利団体で、イギリス政府により設立された公的な国際文化交流機関であり、各国における英語の普及やイギリスと諸外国の間の教育・文化交流を目的としている。ロンドンに本部を有し、世界100カ国以上に事務所を置いて活動を行っている。
引用元: Wikipedia『ブリティッシュ・カウンシル』
◉ ケンブリッジ大学英語検定機構
https://www.cambridgeassessment.org.uk/
ケンブリッジ大学英語検定機構(英: Cambridge Assessment English)は、外国語としての英語熟達度を測る試験を提供する組織。英国ケンブリッジ大学の一部門であり、非営利組織であるケンブリッジ大学英語検定機構(The University of Cambridge Local Examinations Syndicate(UCLES))を通じて検定試験を行っている。
引用元: Wikipedia『ケンブリッジ大学英語検定機構』
◉ IDP Education
IDP Education Limitedは、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、イギリス、アイルランド共和国、カナダで学生の就職斡旋を行っている国際的な教育機関です。IDPは31カ国に100以上のオフィスを持ち、550人のカウンセラーを擁しています。
IDPオーストラリアは、ケンブリッジ大学ESOL検定およびブリティッシュ・カウンシルと提携し、IELTSのテストを行っています。引用元: Wikipedia『IDP Education』
日本での IELTS 実施機関
日本においては、英検を運営している 公益財団法人 日本英語検定協会 が2010年にIELTSの実施機関となり、ブリティッシュカウンシルによるノウハウ提供などの支援の下、日本におけるIELTSの普及促進活動や申し込み受付、試験実施などのオペレーションを全面的に行っています。
◉ 日本英語検定協会
マレーシアでIELTSを受験したい場合は、ブリティッシュカウンシル・マレーシアで受験申し込みを受け付けています。
今回はなぜ IELTS なのか?
主な理由は、2つあります。
レベル別試験ではないため、継続的に英語力を把握しやすい
IELTSは、日本の英検やケンブリッジ英検のようにレベル別に難易度が異なるテストが用意されているのではなく、すべての英語レベルの人が同じ内容で試験を受けます。
よって、はるか上のレベルの人から下のほうまでが同じ試験を受け、実力が一目瞭然で把握できることにメリットがあります。
もし、来年も再び受験することになれば、英語レベルがどのように変化したのかという推移が把握しやすいというメリットがあります。
セカンダリー卒業後、大学進学に向けて利用できる
ブリティッシュカウンシルは、IELTSの有効期限について以下のように説明しています。
成績証明書の有効期限
IELTSの認定期間は、通常2年以上経過した成績証明書を、有効な証明として受理することはありません。
2年以上を経過した成績証明書を利用する場合、受験者本人がIELTS受験後も英語力の向上・維持を行った証明をする必要があります。
IELTSとしては、2年以上経過した成績を有効と認めることはありません。
引用元: ブリティッシュカウンシルHP『試験結果―IELTSのスコアについて』
上記のとおり、IELTSの有効期限は2年間ですが、我が家の息子はセカンダリー卒業(Year11修了)まで残り1年なので、卒業後の進路を決める際に今回のIELTSのスコアを英語能力証明として進学先に提出することができます。
まだ進路については未定ですが、次の進路に出願する際に今回のIELTSのスコアを生かすことができるわけです。
IELTS 申し込み
せっかく夏休みになったのに「IELTSの試験があるから勉強しろ!」と僕が一方的に諭しても、すでに中3になった息子が素直に言うことを聞くとは思えません。
ならば、誰かと競争することでモチベーションを持ち上げようと思い、今回は「父ちゃんとガチンコ勝負しようぜ!」と息子に提案して息子がそれを受け入れたため、親子でIELTSの試験で勝負することになりました。
僕は、英語検定といえば、20年くらい前にTOEICの試験を受けたのが最後で、その時のスコアは780点でした。英検のレベルに照らし合わせると、TOEIC780点は英検準1級相当(CEFRならB2)といったところかなと思います。
そんな父が、ほぼ事前準備なしにノーガードでリングに上がり、英語だけで寮生活している留学満4年の息子に挑戦状を叩きつけたのです(笑)
「コンピューター版」と「ペーパー版」
IELTSの試験は「ペーパー版」と「コンピューター版」の2種類ありますが、PCを使ったテストのほうがラインティングがかなりラクなのと、コンピューター版のほうが結果が早く出るという2つのメリットがあるので、今回は2人ともコンピューター版を申し込みました。
https://www.eiken.or.jp/ielts/
日本でコンピューター版のIELTSを受験する場合、管轄は英検協会ではなくブリティッシュカウンシルとなるようで、上記サイトから「コンピュータ版申し込み」をクリックすると、ブリティッシュカウンシルのHPにジャンプし申し込みをします。
「アカデミック」と「ジェネラルトレーニング」
IELTSには大学など高等教育機関への進学のため「アカデミックモジュール」と、社会人用の「ジェネラルトレーニングモジュール」の2種類があります。私たちは、アカデミックモジュールを選んで申し込みます。
2つのモジュールの違いについては、英検協会のIELTS公式ページの記載が分かりやすいのでご紹介しておきます。
アカデミックモジュール (IELTS Academic) |
ジェネラルトレーニングモジュール (IELTS General Training) |
---|---|
アカデミック・モジュールは、受験生の英語力が、英語で授業を行う大学や大学院に入学できるレベルに達しているかどうかを評価するものです。イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学や大学院では、アカデミック・モジュールでの試験結果が入学許可の判断の基準となっています。 一般的に、大学や大学院において英語で学びたい方や、英語圏での看護師や医師登録申請をする方は、このアカデミック・モジュールでの結果が必要です。 |
英語圏で学業以外の研修を考えている方や、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドへの移住申請をされる方は、ジェネラル・トレーニング・モジュールを受験することが一般的です。 |
引用元: 日本英語検定協会『IELTS公式サイト』
IELTS の試験内容
IELTSの成績証明書を得るには、ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4技能のテストをすべて受験する必要があります。
テストの詳細については、以下の資料が分かりやすいのでご紹介しておきます。
試験時間は、以下のとおり全部で3時間弱の長丁場となります。しっかりと体調を整えて臨みたいですね。
項目 | 設問 | 時間 |
---|---|---|
Listening | 40問 | 30分 |
Reading | 40問 | 60分 |
Writing | 2問 | 60分 |
Speaking | 3パート構成 | 11〜14分 |
IELTS試験本番へ向けて
7月上旬に僕たち親子は日本に帰国しましたが、帰国直後は特に僕が多忙だったこともありIELTSの試験準備の勉強はほとんどできませんでした。
IELTS の受験対策
とはいえ、試験の形式に慣れるのは必要だということで、模擬試験集を1冊だけ本屋で買ってきて試験に備えることにしました。
これが、その模擬試験集です。
◉ 模擬テスト
【音声ダウンロード付】IELTSブリティッシュ・カウンシル公認 本番形式問題3回分 (旺文社)
この模擬試験集はブリティッシュカウンシル公認で、リスニングはもちろんのこと、リーディングやライティングの試験指示の音声もインターネットからダウンロードできるようになっており、時間を計って音声に指示に従うことで、本試験と同じ形式で練習することができます。
実際に模擬試験をやってみましたが、ぶっちゃけ間違いだらけで自信が徐々に崩れていきました(苦笑)

この本以外にも、ブリティッシュカウンシルのHPに1回分の模擬試験がダウンロードできるようになっているので、私たち親子は合計で4回ほど模擬試験を繰り返しました。
なお、ライティングは自分たちでは採点のしようがないので、お互いに書いた文章を読み合って改善点を話し合いました。
スピーキングも親子だけでは練習ができないので、YouTubeで「IELTS 6.0」などで検索して、まずはレベル感の把握をしました。
例えば、これ(動画)です。
この動画を見て、「これくらいならうちらも6.0は狙えるんじゃね?」みたいなことを事前に話し合いました。
その他の IELTS 対策お勧め本
我が家の場合、時間が足りなかったため上記の模擬試験集をやることだけしか準備ができせんでしたが、もし時間が許すようなら、同じブリティッシュカウンシル公認の以下の問題集がお勧めです。
◉ 公認問題集
【音声ダウンロード付】IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集 (旺文社)
◉ 単語集
単語集なら、これがお勧めです。
IELTSのリーディングやライティングで高得点を狙うなら、語彙を増やすことが大きな課題となってきます。もし時間が十分にあれば、この単語集で語彙力を強化することをお勧めします。
【音声ダウンロード付】実践IELTS英単語3500 (旺文社)
いざ IELTS 本試験へ
8月6日(土)、東京の試験会場となった神楽坂の旺文社本社に向かいました。

私たちは午前9時からの時間帯の試験を選択しました。この時間帯には、だいたい30人くらいの人が受験していたように思います。受験生の属性は、多くが大学生から20代の若者でした。

なお、試験会場には「パスポート」と「パスポートのA4カラーコピー1枚」を持参する必要がありますのでお忘れなく。
父と子の IELTS 受験結果
コンピューター版の試験の結果は、試験日から3〜5日後にメールが入り、ブリティッシュカウンシルのHPにログインして確認することができます。
IELTS と CEFR の対照表
IELTSスコアのレベル感については、文部科学省が公表している各種英語試験とCEFRの対照表が参考になります。
引用元: 文科省『大学入試英語成績提供システム参加予定の資格・検定試験とCEFRの対照表』
CEFR(セファール)とは「Common European Framework of Reference for Languages」の略称で、ヨーロッパを中心とする様々な言語の習熟度を統一的に測るためのフレームワークです。IELTSを含む英語の各試験のスコアは、CEFRのランクに換算されます。
これを見ると、例えばCEFRの「B1」は英検なら「2級」、ケンブリッジ英検なら「B1 Preliminary(PET)」TOEFL iBTなら「42〜71点」のレベルと同等であることが分かります。
IELTS スコア別の英語レベルと大学進学の目安
次に、IELTSのスコアがいったいどれくらいの英語レベルなのかということについて、英検協会の以下の記述が参考になります。
IELTS スコア |
定義 | 進学の目安 |
---|---|---|
9.0 | エキスパートユーザー 英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。 |
—– |
8.5 | 非常に優秀なユーザー 不正確さや不適切さが見られるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。 |
|
8.0 | ||
7.5 | 優秀なユーザー 不正確さや不適切さが見られ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。 |
海外の大学 バチェラーコース入学要求レベル |
7.0 | ||
6.5 | 有能なユーザー 不正確さ、不適切さ、誤解も見られれるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下ではかなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。 |
|
6.0 | 海外の大学 ファウンデーションコース入学要求レベル(海外大マレーシア校含む) |
|
5.5 | 中程度のユーザー 不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することができる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。 |
|
5.0 | マレーシアの大学 一部のバチェラーコース及びファウンデーションコース入学要求レベル |
|
4.5 | 限定的なユーザー 慣れた状況下においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁に見られる。複雑な言葉遣いはできない。 |
—– |
4.0 |
引用元: 日本英語検定協会『IELTS日本版受験者向け情報』に【進学の目安】を加筆
大学進学に際しての英語力要求水準(リクワイヤメント)は、ざっくりと上記のとおりです。
例えば、学校にも依りますが、イギリスの大学の本科(バチェラーコース)に入学するには、概ねIELTS「6.5」以上のスコアが必要になってきます。
また、マレーシアの大学のファウンデーションコース(大学準備課程)やバチェラーコース(本科)に入学するには、IELTSで「5.0」からチャンスがあります。
息子のスコア
IELTSの成績表には、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4技能それぞれのバンドスコアと、すべてを総合したオーバーオールのスコア、そしてCEFRのランクが記載されています。

息子はオーバーオールで「6.5」、リスニングで「7.0」、リーディングで「6.5」と良いスコアを獲得し、スピーキングは「6.0」とまずまず。一方、ライティングは「5.5」、CEFRのランクは「B2」という結果でした。
父のスコア

僕は、オーバーオールで「6.0」、リスニングで「6.0」、リーディングで「5.5」、ライティングで「6.0」、そしてスピーキングで「5.5」、CEFRのランクは「B2」という結果となりました。
親子でガチンコ勝負した感想
事前に模擬試験を4回やりましたが、すべての回で息子の点数が上回っていたため、本番の息子の成績には敵わないだろうとは薄々予想してました。
事前予想では、オーバーオールで息子が「6.0」、僕が「5.5」と想定していたため、2人とも事前予想に対して0.5ずつ上振れした結果となったことは嬉しい誤算でした。
僕が唯一息子に勝てたのは、ライティングです。
はっきり言って、20年前のTOEIC780点からほとんど進歩のない結果とはなったものの、昭和の時代に日本で英語教育を受けたオジサンでもライティングなら今の息子に勝負できることが分かったのはちょっとだけホッとしました(笑)
IELTS の結果から得られた4つの示唆
なぜなら、いくつか気付きがあったからです。
1. ファウンデーションコースの英語の要求水準をクリア
マレーシアの大学、マレーシアにある海外大学マレーシア分校、イギリスの大学、オーストラリアの大学には、大学本科であるバチェラーコースを目指す生徒たちに本科入学に備えるためのファウンデーションコース(大学準備課程)が設置されている場合があります。
そのファウンデーションの入学要件の1つとなる英語力の水準は、IELTSのスコアで示されています。
今回、息子はIELTSのオーバーオールのスコアで「6.5」だったので、ほとんどのファウンデーションコースの入学基準には達しています。
また、海外大学の一部はバチェラーコースの入学基準を「6.5」としている大学もあり、現時点でバチェラーコースの入学基準も満たしています。
これまで4年間、息子の英語力がなかなか伸びないなぁと悩んでいたので、この悩みが解消されたことは精神的に非常に大きなプラス材料となりました。
2. 弱点が浮き彫りとなったライティングの強化が必要
一方で、息子はライティングのバンドスコアが「5.5」でした。ライティングが弱点であることは事前にある程度予想していましたが、今回の結果を受けて弱みが明確になりました。
IGCSEはとにかく書かされる問題が多いので、ライティング力を上げることは喫緊の課題です。
来週から始まるYear11では、とにかくライティングのスキルを上げ、すべてのIGCSE科目で「書く能力」を改善していくことを目標とすることを息子と共有しました。
幸い、息子は学校でEAL(英語補講クラス)の授業がYear11になっても続いています。EALの先生には早速IELTSの結果を報告し、ライティング力の向上に注力したいという旨を伝えています。
3. IELTS スコアと IGCSE 科目としての英語との相関関係
IGCSEの科目としての英語(English as a Second Language)の最終成績です。
IELTSのオーバーオール「6.5」のスコアの場合、IGCSEでどれくらいの最終成績が見込めるのか、かなりググりましたが、具体的な情報(例えば相関係数)を見つけることはできませんでした。
まあ、普通に考えてIELTSのスコアとIGCSEの最終成績にはかなりの相関があることが予想されますので、わざわざそんなデータを出すまでもないのだと思いますが、以前教わっていた英語のオンラインチューターの先生曰く、「IGCSEをしっかりやっていればIELTSで一定のスコアは獲れます」と断言していました。
これまではその先生の言葉を信じることしかできませんでしたが、今回はもう少し裏を取りたいと思い、イギリスの大学のリクワイヤメントから、IELTSスコアとIGCSEの成績の相関について調べてみました。
早速、チェックしてみます。
◉ Queen Mary University of London

QS世界大学ランキング2022年版で117位、ロンドン大学群の一角を成す名門のクイーンメアリー校は、海外からの留学生に対する英語のリクワイヤメントを原則としてIELTSのスコアで提示しています。
一方で、IGCSEを修了した志願者の場合、IGCSEの成績をもって英語力証明としてIELTSに代えて認めると明記しています。
クイーンメアリー校の英語(English as a Second Language)のリクワイヤメントを見ると、以下のように記載されています。
引用元: Queen Mary University of London “Alternative English Language Qualifications”
すなわち、英語(English as a Second Language)で最終グレードが「B」であれば、IELTSで「6.5」もしくは「6.0」のスコアと同等だということです。
◉ University of Leicester

続きまして、QS世界大学ランキング2022年版で236位の英国の名門レスター大学です。
レスター大学では、IGCSEの英語(English as a Second Language)で「B」であれば、IELTSで「6.0」または「6.5」のスコアと同等であると示しています。
引用元: University of Leicester “Equivalent qualifications and tests”
この2校のリクワイヤメントから逆算するに、IELTSで「6.5」のスコアを取れていれば、IGCSEの最終成績で「B」が獲れる可能性が高いということが言えると思います。
私たちのようなマレーシアの英国式インターに留学する日本人生徒にとっては、IGCSEの成績を提出すればIELTSを受験しなくて済むということは大きなメリットです。
もし、IGCSEで英語の成績が「B」ではなく「C」の成績だった場合は、IELTSを受ければいいだけの話なのですが、やはりIGCSE科目としての英語をしっかりやっていくことは非常に重要だということが、このリクワイヤメントから分かります。
※ 英国大学入学のための学生ビザ申請のためには、IGCSEの成績に追加でスピーキング力を証明する要素を提出する必要がある点は注意が必要です。
4. IELTS スコアと英語以外のIGCSE科目の成績は別もの
今回のIELTS受験で、スコアが意外にも事前予想より良かったことは喜ばしいことですが、だからといってIGCSEの各科目の成績が上がるということには直結しません。
IGCSEを乗り越えるにはベースとなる英語力は当然必要ですが、各科目の勉強はいわゆる“地頭の良さ”や事前準備力やタイムマネジメント力などを含めた“テスト対応能力”に依存します。
つまり、IELTSの成績とIGCSEの英語以外の科目の成績はまったくの別ものであり、少しくらいIELTSのスコアが良かったからといって浮かれている余裕はないのです。
各科目をどうやって攻略していくか、息子本人がその方法を探っていきながら学力をつけていくしか道はないのです。
IELTS まとめ
息子はいよいよYear11を迎え、IGCSEに向けて気を引き締めて臨まなければならない時が来ました。
今回はIELTSの結果で一定の自信を持てたことは大きなメリットなので、これからの1年、息子には自信を持って、自分との戦いに勝てるよう頑張ってもらいたいと思っています。
IELTSのスコアから、IGCSE科目としての英語の最終成績は類推できる
とはいえIELTSのスコアと英語以外のIGCSE各科目の成績は別なので、個別科目を頑張るしかない
【余談】HSK2級(中国語検定)も受験しました
マレーシアでは中国語も学んでいます
日頃の息子との会話の中で、“学業(IGCSE)でコケた場合の保険は語学だ!”と口を酸っぱくして言っている僕ですが、その考えのもと、息子は昨年(2021年)の夏休みからオンライン中国語会話をしています。
IGCSE科目としての中国語はどちらかというと「読み書き」の比重が高く、母語の中で漢字を使っている日本人にとってみれば、多少の違いのある中国語簡体字にもすぐに慣れ、他の国の子たちと比べると比較的優位な立場にあります。
しかし、中国語を学ぶ目標を読み書きではなく「話せるようになりたい」という部分に置くならば、リスニングやスピーキングを練習する必要があります。
そんなことから、息子は夏休みや冬休みなどの長い休みの期間中には1日30分のオンライン中国語会話を続けてきました。
常日頃から、“大学入学前にギャップイヤーでも取って台湾にでも語学留学したら楽しんじゃね⤴︎?”みたいなことを息子と話してますが、台湾の私立大学に出願できる水準のHSK4級くらいを目指して、楽しみながら中国語を学んでいってほしいと思っています。
HSK2級を受験してみた
さて、この夏は、1年間続けてきたオンライン中国語会話の成果を確認するため、中国語検定として世界に認められているHSK(漢語水平考試: Hànyǔ Shuǐpíng Kǎoshì)の2級を受験してみることにしました。
HSK (日本と世界で一番受けられている中国語検定)ということで、7月16日(土)、試験会場となる東京学芸大学の小金井キャンパスに向かいました。

学芸大のキャンパスは広々として緑も多く、すごく気持ちがいいです。
HSKの受験生は、多くが大学生のようです。

はたして合否の結果は?

HSK2級は60%が合格ラインだと言われています。今回の息子のスコアは200点満点中178点で、89%の正答率でした。
HSK2級に余裕で合格したことで、息子の中では少し自信につながったようで、中国語学習に対する意識もより前向きに変わったように感じます。
CEFRの尺度で見たHSK2級の難易度
ところで、HSK2級がどんなレベルなのかを確認すると、HPに以下の記載があります。
引用元: HSK『HSKの級から見るCEFR』
CEFRの尺度は英語以外の言語にも当てはめられるので、レベル感を掴むには非常に分かりやすく、HSK2級だとCEFRで「A2」のランクとなるようです。
CEFRのA2は、英検なら「準2級」、ケンブリッジ英検なら「A2 KET」と同じ程度の語学習熟度なので決して悪くない水準です。
もう少し勉強すればHSK3級には受かりそうですが、これからYear11を迎えるというこの時期にHSKをさらに受験する必要はないので、息子にはこれから始まるIGCSEに集中してもらいます。
ちなみに、HSK中国語検定は、クアラルンプールでは Sri Bestari International Schoolや French School of Kuala Lumpur(LFKL) などで中国語を学ぶ生徒たちに受験機会を提供しているので、一般的な中国語検定試験として認知されていると言ってもいいでしょう。
級にもよりますが、HSKは日本人にとってはさほど難しくない内容なので、ご興味あればぜひ挑戦していただければと思っています!


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