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親子で 教育移住 を考えた時、そのゴールをどこに定めるのか?帰国をいつにするのか?どんな選択肢があるのか?ということについては、事前に考えておくことが重要です。
なぜなら、ゴールをどこに設定するかで、カリキュラムの重要度や進学の選択肢が変わってくるかです。
今回の記事では、各年代の受験のタイミング別にまとめてみました。
マレーシアへの 教育移住 、ゴールをどこに設定しますか? (帰国生受験に向けての出口戦略)
教育移住のゴールとは?
マレーシアに教育移住中の子供にとって、帰国のタイミングや帰国後の進路は家庭ごとに異なります。
我々のように駐在員ではない父子留学や母子留学での教育移住者は、自分たちでゴールを決めることができます。いや、むしろ自分たちで決めなければなりません。
教育移住といっても、実際には子供のためだけではなく、親である自分自身にも多くの学びがあります。日々の生活や子供のサポートを通じて、新しいことに気付かされることが多く、時々「これは自分のための教育移住かもしれない」と思うこともあります。
異国の地、マレーシアで生活の基盤を整え、子供に新しい教育の場を提供しながら、家族みんなが健康で安定した生活を送れるよう努力するのは、親としての責任であり、やりがいでもあります。
我が家では、子供にどれだけ伝わっているか分かりませんが、自分なりにマレーシアの生活を根付かせるために努力をしてきました。マレーシアでの生活を通じて、自分にも新しい視点や学びが増え、決断してよかったと感じています。
我が家が教育移住を始めたのは、息子小学校5年生になるタイミングでした。教育移住というと、子供がもっと小さいうちから海外で学ばせることをイメージされがちかもしれませんが、我が家は日本語もしっかり定着した小5という年齢でマレーシアに来て良かったと感じています。
移住のタイミングは家庭ごとに異なると思いますが、子供の成長に合わせた最適なタイミングを選んでいただきたいと思っています。
帰国生受験という選択肢
小学生の時から留学を始めた子にとっては、実に3回も帰国生としての受験の機会があります。図にしてみると、こんな感じです。
中学受験で日本に帰国
お子さんが小学生のうちから海外で学んだ場合、最初の分岐点は中学受験です。
中学入学のタイミングで日本に本帰国して日本の中学に進学する場合、私立中学を帰国生受験することは、これまでの海外の経験を大いに生かせる選択肢かと思います。
私立中学の帰国生枠は、英語だけで受験ができるなど帰国子女としての利点を高く評価してもらえます。
海外の日本人学校で学んだ生徒は、英語だけでの受験は難しいこともあります。逆に海外インター生にとっては、同世代の子と比べて英語力を修得していなければなりません。また、入学後は全て日本語での授業になる学校も多いので、授業にキャッチアップできるだけの日本語力もキープする努力を続けていかなければなりません。ただ、悲しいのは、中学校に入学していったん日本語だけの授業にどっぷり浸り英語を使わなくなると、英語力はどんどん抜けていってしまいます。
一方、近年英語で授業を提供するプログラムを設けている学校もあるので、入学後どのように英語の勉強を続けていくのかを考慮した上での学校選びがポイントになります。
例えば中学受験では、海外子女向けオンライン家庭教師EDUBALのブログ記事『帰国子女枠中学受験の学校情報・入試対策方法』によると、帰国子女受験が可能な中学校が数多くあることが分かります。
公立中学を選ぶ場合、帰国後に住居を構える学区の中学校、または、自由選択制を採用している地域の場合は区内のいずれかの中学校に入試なしで進むことになります。
公立中学に進学すると、帰国子女であることは大きく評価されず、日本の教育カリキュラムに沿った勉強で評価されるため、英語の成績だけが「5」で、それ以外の科目は…という現実に直面することもあるかと思います。英語なら問題を解く能力はあっても、日本語の問題が十分に理解できなくて回答できず苦しむということもあるようです。
そして、3年後には日本で学んできた同世代の子と同じように高校受験に臨まなければならないので、中学3年間でしっかり勉強して日本の教育カリキュラムを習得する必要があります。
高校受験を回避するなら、都立や区立で近年増えている中高一貫6年制学校を受験するという選択肢もあります。中高一貫6年制の学校では、入学決定に当たって帰国子女の英語力を評価してくれたり、帰国子女のために別枠の入学資格を設ける学校もあり、また一貫校なので高校受験がないというメリットも大きいです。
ちなみに、中1で帰国してから帰国生受験で高校受験できるか否かについては、一般的に高校受験で定められる「帰国子女」の定義は「帰国後1〜3年以内」とされていることが多いので、その可能性は極めて低いと言えます。
高校受験で日本に帰国
高校入学のタイミングで本帰国する場合、公立高校か私立高校を帰国生として受験することになります。
東京都教育委員会によると、都立高校で帰国生枠を設けている学校は、2020年度では、三田高校、竹早高校、日野台高校、そして国際高校の4校のみ。狭き門ですが、倍率が高くないので、もしかしたら狙い目といえば狙い目なのかもしれません。
都立高校の海外帰国生徒枠は、9月入学の編入試験も実施しています。会社の事情でどうしても中途半端なタイミングで帰国せざるを得ないご家庭のために、公立の高校では1年や2年時の編入を受け入れてくれる学校があります。2020年度は都立高校は上記4校で9月入学の海外帰国生の編入学を募集していますが、国立では学芸大学附属国際中等教育学校(練馬区)などがあります。
帰国生受験の注意点
私立の中学校や高校を受験する場合、実は教育移住者にとっては少し注意が必要です。
中学受験や高校受験における“帰国子女”とは、保護者の海外在留に伴う海外在住期間が1年以上と定める学校も多いのです。出願には保護者の海外在勤証明が必要で、私たちのような教育移住者が該当しない場合があります。
例えば以下のように、青山学院高等部では帰国生の出願資格として母子留学を認めないとの記載があります。
引用元: 青山学院高等部 “2021年度帰国生入試要項”
教育移住がここまで増えている昨今、“そんなことをいうなんて…”とも思いますが、日本では帰国子女というのは親の仕事で海外で学んだ子供との理解がまだまだ多いようです。
もちろん母子留学の帰国生を受け入れてくれる学校もありますので、慎重に学校の受験資格を確認することが重要です。
大学受験で日本に帰国
大学進学で日本に本帰国、帰国生受験となると、大学受験資格を得るための勉強は決してラクではありません。イギリス式インター校卒の生徒が日本の大学を志望する場合、Year11を修了しただけでは大学の受験資格がないからです。
上記の記事でも触れましたが、例えばイギリス式インター校の場合、高校の卒業資格となるIGCSE修了では日本の大学の受験資格がなく、その先のPre-UniversityプログラムであるAレベルや国際バカロレア(IBDP)を修了して受験資格を満たす必要があります。これは、日本の大学すべて同じ基準となっています。
マレーシアの大学に進学するという選択
せっかくインター校で高校生まで学んでいる子供の多くは、“今さら日本の大学で日本語の講義を受けるのはちょっと厳しいかな…”と考える子も多くいます。
英語だけの講義を提供する大学もありますが、今日ではまだその選択肢は多くありません。学部が限られていたり、英語の講義がごく一部だったりします。それ故に、日本の大学に拘らない、むしろこのまま海外の大学に進学したいと考える子供も多いのです。
マレーシアにある大学を分類すると、大きく3つに分けられます。
マレーシアの大学3つの分類
- マレーシアの国立大学
- マレーシアの私立大学
- マレーシアにある海外大学のマレーシア校
マレーシア国内の大学ランキングを見ると、上位を国立大学が占めます。マレーシアのランキング1位の最高学府は、国立マラヤ大学です。日本で例えれば、東大の位置付けの大学です。
でも、マレーシアのインター校で学んだ子供にとって、マレーシアの国立大学に進学するのはちょっと難しいのです。なぜなら、政府の方針で国立大学の入学にはマレー人を優先している政策をとっているため、外国人の入学枠は狭き門であることと、講義の多くはマレー語で行われていることが理由として挙げられます。
私立大学の場合は英語で講義を提供する学校が多く、これはインター生にとって大きく門戸が開かれています。コンピュータサイエンスやアカウンティングなどの専門的な技術やスキルが身につく学部、ホテル向けのホスピタリティ学科などユニークなカリキュラムを提供する大学も多く、その先の就職を考えてもマレーシアの大学の専攻はかなり充実しています。
そして、マレーシアならではなのが、海外大学のマレーシア校という選択肢です。マレーシアには、イギリスやオーストラリアに本校を持つ大学(その多くは名門大学)の海外分校としてマレーシアにキャンパスを持つ大学が10校もあります。
この海外分校型大学の大きな特長は、マレーシアにいながら本校と同じカリキュラムでの教育が受けられること。しかもマレーシア料金の学費なので、本校と比べると半額から3分の1程度です。学位も本校を卒業するのと同じ学位を取得することができ、成績が足りていれば交換制度で本校キャンパスに留学することも可能です。その留学中の学費は、マレーシア校に納める学費からまかなわれます。クアラルンプールにあるこのタイプの代表的な大学は、モナッシュ大学(豪)、ノッティンガム大学(英)、厦門大学(中)です。
マレーシアのインター校からマレーシアの大学を目指す場合、必ずしもAレベルや国際バカロレア(IBDP)を修了する必要がなく、高校卒業資格であるIGCSEを修了した後、大学直属(もしくは外部のカレッジ)のファウンデーションコースに進学し、その後に大学の本科を目指すという道もあります。
一般的に大学はいくつかある世界ランキングでその教育水準が評価されていますが、マレーシアの大学とマレーシアにある海外大学の本校のランキングの高さには驚かされます。
なので、マレーシアの大学も視野に入れておくことは、子供の選択肢を広げることにつながるのたと思うのです。
まとめ
母子留学の場合、もっとも子供の強みを生かせるタイミングでの帰国生受験を狙いたい
マレーシアの大学に進学するという選択肢も魅力的
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