(本記事は、2023年5月23日に最新情報に更新いたしました。)
Go for it 教育移住日記のブログでは、これからマレーシアに教育移住や親子留学を目指す皆さんに有益な情報を提供することを心掛けています。ここでは、教育移住のノウハウと学校のカリキュラム、そしてインター校留学の手順について解説いたします。
保存版!マレーシア・インターナショナルスクール留学ガイド
留学形態別・学校選びの優先ポイント
留学の形態には、駐在赴任、母子留学(父子留学)、単身留学(ボーディングスクール)の3つがあります。
学校選びのポイントはそれぞれ違うので、表にまとめると以下のようになります。
留学形態 | 優先点 |
---|---|
駐在赴任 | ご主人の勤務地から近いエリアで住まいを選ぶ場合が多いので、まずは住まいを優先的に選んでから学校選びの順となります。 |
母子留学 | 母子留学の場合、小学校低学年までは学校を先に決めるか住む場所を先に決めるかはどちらでも構わないと思います。小学校高学年になると、英語力次第では入学できる学校を先に決めてから住まいを決めるのが一般的です。 |
単身留学 | 必然的に寮がある学校に絞られます。クアラルンプール中心部には寮のある学校はないので、都心近郊か田舎のボーディングスクールとなります。 |
駐在赴任の場合
駐在赴任の場合、まずはご主人の職場から近いところに住まいを決め、その後に学校を選ぶというのが典型的なパターンです。
駐在赴任のご家族は都心に住まれるケースが多く、クアラルンプールであれば、KLCC、モントキアラ、デサパークシティ、バンサー、ペタリンジャヤあたりが人気のエリアです。
お住まいを決めたら、そこからスクールバスで通える学校、あるいはお母さんが登校下校に送り迎えできる範囲の学校を選びます。
スクールバス、送り迎え、いずれの場合も車で片道30分以内(理想は片道10分程度)の学校を選ぶのが良いでしょう。
逆に、既に候補となる学校が決まっている場合なら、学校の近くに住まいを選ぶということも十分考えられます。
通学は毎日のことなので、スクールバスで40分〜60分もかかると子供に負担がかかります。お母さんの送り迎えの場合でも、朝と午後の2回の往復は大きな負担となりますので、できるだけ学校から近い家を選ぶことをお勧めいたします。
母子留学の場合
学校選びで一番自由度が高いのは、母子留学(父子留学)です。
母子留学では各ご家庭が気にされるのはコスト(学費)であることが多いので、学費から候補の学校を絞り込み、なるべく学校の近所で日本人でも住めそうなコンドミニアムや一戸建ての家を探すという流れが一般的です。
母子留学の場合、けっこうな田舎に住むケースもあるのですが、田舎の場合、セキュリティ(警備)がしっかりしていないコンドミニアムや戸建群もありますので、住まいのセキュリティが十分かどうかも気にするポイントになります。
単身留学の場合
単身留学の場合、必然的に寮のある学校になります。
寮のある学校は都心ではなく郊外にあり、学校を選ぶ要素としては、コスト、カリキュラム、学校の雰囲気、先生の印象などで選定することとなります。
単身留学の場合、学校ありきですべてを決めるので、エリアはあまり重要視するポイントではありません。
学校選びのポイントと、クアラルンプール近郊の寮のある学校については、以下の記事『コロナ禍でもできる留学準備!経験者が語る後悔しない学校の選び方』をご参照ください。
エリアの選定
一口にマレーシアといっても、クアラルンプール、ペナン、イポー、ジョホールバル、コタキナバル、クチンなどの様々なエリアがあり、それぞれのエリアには強烈な個性があります。
希望のエリアを選んで、理想の教育移住を実現してください。
クアラルンプール首都圏
もっともに人気が高いのは、“クランバレー”と呼ばれるクアラルンプール首都圏です。
クランバレーは、日本で例えるなら“東京”です。数多くのインターナショナルスクールがあり、選べるカリキュラムは英国式、国際バカロレア(IB)、豪州式、米国式、カナダ式といった具合に選択肢が豊富で、遊びに行く場所や習い事などにも困ることはありません。
ペナン (ペナン州)
マレーシアの代表的なリゾート地であるペナン島は海あり山ありの魅力溢れる島で、一生のうち一度は南国暮らしをしてみたいというお母さんたちから絶大な支持があります。
ペナンのインターナショナルスクールは比較的学費水準も手頃で、お好みの学校がきっと見つかることでしょう。
イポー (ペラ州)
クアラルンプールとペナンの間にあるイポーは、かつて華人が多く移住してきた経緯から、中華系マレーシア人が多く住んでおり、日本人にも住みやすい中規模の地方都市です。
認知度はクアラルンプールやペナンに一歩も二歩も譲りますが、コスパが抜群でクオリティも高い学校がいくつかあります。
イポーの学校一覧は、『クアラルンプール学校一覧』に含まれています。
ジョホールバル (ジョホール州)
シンガポールと国境を接しているジョホールバルは、マレーシアの中でも特に発展めざましいエリアです。
ジョホールバルには数多くのインターナショナルスクールがある、ハイエンドのプレミア校からコスパ抜群のリーズナブルな学校もあり、ブリティッシュスクールやアメリカンスクールなど、それぞれの個性は際立っています。
コタキナバル (サバ州)
東マレーシアのサバ州の州都であるコタキナバルは、山と海に大自然に囲まれた魅力のある街です。
コタキナバルには東南アジア最高峰のキナバル山(4,095m)がそびえ立ち、マレーシア中のインターナショナルスクールがキャンプの行き先とするほどアウトドアの野性味を存分に味わえるエリアです。
コタキナバルは南シナ海に面しており、日本で例えるなら沖縄のような雰囲気で、海に沈む夕日を見ながらお母さんはビールを片手にリゾート気分を毎日楽しむことができます。
そんな海あり山ありのコタキナバルで、子供たちは伸び伸びと育っていくことでしょう。
クチン (サラワク州)
東マレーシアのサラワク州の州都であるクチンは、ボルネオ島の大自然に囲まれたのんびりとした雰囲気溢れる街です。
中華系の人が多いクチンは、マレーシア全土の中でも食事が美味しい街としても知られ、シーフードはさることながら、サラワク・ラクサ(カレー風味の麺)やコロミー(ひき肉の乗った焼きそば風の麺)はマニアが多いほど人気があります。
州都クチン市内には4つのインターナショナルスクールがあり、学費はマレーシア全土の中でも最安水準であることも大きな魅力です。
マレーシアで選べる教育カリキュラム
各カリキュラムの個性
マレーシアで学べる教育カリキュラムには、豊富な選択肢があります。
以下の円グラフは、私たちが2021年度版として取りまとめたマレーシアの主要4エリア(クアラルンプール、ペナン、ジョホールバル、コタキナバル)のインター校のカリキュラム件数とシェアですが、圧倒的に多いのは英国式カリキュラムで、次いで国際バカロレア(IB)、米国式、豪州式、カナダ式の順となります。
それぞれのカリキュラムには個性があり、親としては気にすべきポイントの1つです。
日本の小学校の暗記中心の教育スタイルとは対照的に、プライマリースクール(小学校)ではどのカリキュラムも生徒の個性を育む教育スタイルを取り入れているという共通点があります。
しかし、セカンダリースクール(中高)の高学年になると、カリキュラムの特徴は以下のように顕著になっていきます。
イギリス式 | 最もアカデミックなカリキュラムで、最終的には100%試験の結果で評価される |
IB(国際バカロレア) | 探求型学習が多く取り入れられ総合力を問われる最も難しいカリキュラムで、最後のディプロマプログラムは優秀な生徒を少数精鋭で選抜する学校が多い |
オーストラリア式 | コースワークとテストの総合評価でバランス良い |
カナダ式 | コースワークとテストの総合評価でバランス良い |
アメリカ式 | 自由奔放で伸び伸びだが課題はしっかり出され、プレゼンテーション能力が養われる。大学進学に向けては、GPA(評点平均)を常に意識しながら高校4年間の成績を高く維持するのが重要 |
いずれ日本に帰国して中学・高校で帰国生受験を想定する場合、カリキュラムはあまり重要ではありません。
中学・高校の帰国生受験では、学校によって試験の科目は異なりますが、英語科目の試験で問われる英語力に関しては、教育カリキュラムのよる差はほとんど出ないからです。
しかし、学年が高くなるほどカリキュラムによる影響度が増し、海外大学進学や日本の大学の帰国生受験の際は、修了したカリキュラムによって大学側の受け入れ基準が異なる場合があるので、カリキュラムは慎重に選ぶべきでしょう。
英国式カリキュラム
小学校6年、中学高等学校5年、合計11年で英国義務教育課程を修了し、その後2年の大学準備課程(A-Level)に進む生徒もいます。
段階 | 名称例 | 年数 |
---|---|---|
幼稚園 | Prep Nursery Reception |
1〜3年 |
初等教育 | Primary School | 6年 |
中等教育 | Secondary School | 5年 |
大学準備課程 | Sixth Form (A-Level) | 2年 |
マレーシアで最も多いのが英国式カリキュラムの学校です。
英国式カリキュラムの場合、小学校1年生(Year1)は5歳からスタートします。
中学高等学校であるセカンダリースクールはYear7からスタートし、英国式義務教育修了課程であるIGCSEをYear10〜11の2年間で学習し、Year11の最後にIGCSEの試験を受け、晴れて卒業となります。
その後も英国式で学ぶ場合は、シックスフォーム(Sixth Form)と呼ばれるYear12〜13の大学準備課程(Pre-Unversity Program)に進んで2年間学習し、最終的には大学入学資格であるAレベルの試験を受けてプログラム修了資格を取得し、Aレベルの成績で世界の大学に出願することができます。
英国式カリキュラムでは、Year10までは授業でのグループワーク、小テスト、クラス貢献度、ホームワークの提出率などで絶対評価されますが、Year11の卒業直前に受験する中等教育修了資格のIGCSEの試験、そして大学進学に向けてはYear13の最後に受験するAレベルの試験の結果で100%評価され、日常のクラスでの成績やパフォーマンスはまったく加味されません。
よって、マレーシアにある他のカリキュラムと比べて、最もアカデミックなプログラムであると言われています。
英国式のPre-University ProgramであるAレベルは、英国式インターナショナルスクールの他、テイラーズカレッジやサンウェイカレッジなどカレッジでも履修することが可能です。
国際バカロレア(IB)
小学校5年、中学高等学校5年、大学準備課程2年、合計12年でプログラムが修了します。
段階 | 名称例 | 年数 |
---|---|---|
幼稚園 | Early Year Kindergarten Reception |
1〜4年 |
初等教育 | Primary Year Program (PYP) | 5年 |
中等教育 | Middle Year Program (MYP) | 5年 |
大学準備課程 | Diploma Program (DP) | 2年 |
国際バカロレア(IB)はスイス発祥の国際カリキュラムで、大学準備課程(Pre-University Program)で2年間学んでディプロマ(修了資格)を取得することで、世界中のほとんどの大学へ出願することができます。
マレーシアには小学校から国際バカロレアのカリキュラムを採用している学校は多くはありませんが、一方で、中学高等学校まで英国式でその後に国際バカロレアのディプロマプログラム(DP)をオファーしている学校がいくつかあります。
日本でも国際バカロレアのカリキュラムを採用する学校が増えているように、IBは世界の大学から評価が高いために人気があり、マレーシアでも国際バカロレアを採用する学校は増えつつあります。
国際バカロレアのディプロマプログラム(DP)は他のPre-University Programと比較して学習の幅が広く難易度も高いため、優秀な生徒向けのタフなカリキュラムであると認識されています。
国際バカロレアのカリキュラムを採用するインター校一覧は、過去の記事『国際バカロレア(IBDP)は英国式Aレベルと何が違うのか?ついでにマレーシアのIBインター18校を一挙ご紹介』をご参照ください。
豪州式カリキュラム
小学校5年、中学校3年、高等学校4年、合計12年で修了となります。
段階 | 名称例 | 年数 |
---|---|---|
幼稚園 | Nursery Preparation |
3年 |
小学校 | Foundation(1年) Junior School(5年) |
6年 |
中学校 | Middle School | 3年 |
高等学校 | Senior School | 4年 |
上記の表はオーストラリアン・インターナショナルスクール(AISM)の例で、同校は豪ニューサウスウェールズ州のカリキュラムを採用しています。豪州式の場合、どの州の教育カリキュラムを採用しているかによって学習内容、学年構成や名称が異なります。
豪ニューサウスウェールズ州式カリキュラムの特徴は、授業の中でのコースワーク評価が50%、期末試験の成績が50%で総合的に評価される点にあり、英国式の100%試験結果での評価と比べるとバランスの取れたプログラムであると一般的に言われています。
Year11〜12の2年間は大学進学に向けた課程となり、必要な単位を満たしてYear12の最後にオーストラリア各州の基準による試験が行われ、High School Certificate (高校卒業資格)を取得します。
各州の基準による高校卒業の最終成績は、オーストラリアの統一基準の大学入学資格ATAR(Australian Tertiary Admission Rank)の点に換算され、ATARのスコアによって大学へ出願します。
豪州式のインター校はクアラルンプールにオーストラリアン・インターナショナルスクール(ニューサウスウェールズ州式)とペニンシュラ・インターナショナルスクール(ビクトリア州式)の2校があり、その他に南オーストラリア州式(SACE International)はテイラーズカレッジやディステッドカレッジ、西オーストラリア州式(AUSMAT)はサンウェイカレッジやメソジストカレッジでも履修することができます。
オーストラリアン・インターナショナルスクールについては、過去の記事『クアラルンプールの地元で信頼が厚い名門学校法人、テイラーズが運営する人気インターナショナルスクール5校』をご参照ください。
カナダ式カリキュラム
小学校5年、中学校3年、高等学校4年、合計12年で修了となります。
段階 | 名称例 | 年数 |
---|---|---|
幼稚園 | Kindergarten | 2年 |
小学校 | Elementary School | 5年 |
中学校 | Middle School | 3年 |
高等学校 | High School | 4年 |
マレーシアでカナダ式のカリキュラムを採用しているのは、クアラルンプールのサンウェイ・インターナショナルスクールのクアラルンプール校とジョホールバル校の2校です。
カナダ式も各州に教育省があるため、それぞれの州に独自のカリキュラムがあります。世界の英語圏の大学は、オンタリオ州式の高校卒業資格を大学出願資格として公に認めている場合が多く、その他の州の高校卒業資格もフランス語が公用語のケベック州以外はオンタリオ州と同等とみなしています。
サンウェイ・インターナショナルスクールはオンタリオ州のカリキュラムを採用しており、Grade12で所定の単位を取得してオンタリオ州の最終試験に合格すれば、オンタリオ州セカンダリースクールディプロマ(OSSD)と呼ばれる高校卒業資格を得ることができ、この成績により世界の大学に出願することができます。
カナダ式カリキュラムの特徴は、授業の中でのコースワーク評価が70%、期末試験の成績が30%で総合的に評価される点にあり、豪州式カリキュラムと同様にバランスの取れたプログラムであると言われています。
英国式インターナショナルスクールでYear11を卒業した後に、サンウェイカレッジに進学してOSSD取得を目指すことも可能です。
サンウェイ・インターナショナルスクールについては、過去の記事『どうしても気になる Sunway International School を考察してみた件』をご参照ください。
米国式カリキュラム
小学校5年、中学校3年、高等学校4年、合計12年で修了となります。
段階 | 名称例 | 年数 |
---|---|---|
幼稚園 | Prep | 2年 |
小学校 | Elementary School | 5年 |
中学校 | Middle School | 3年 |
高等学校 | High School | 4年 |
米国式のカリキュラムでは、所定の単位を取得することで高校卒業資格であるハイスクールディプロマ(High School Dilploma)を取得することができます。
学校によっては、Pre-University ProgramであるAP(Advanced Placement)のプログラムをオファーしている学校もありますが、APは必須ではなく、最終的には高校卒業成績により世界の大学に出願します。
成績評価は、授業の中でのコースワークと期末試験を合わせた総合評価です。
大学進学に向けては、高校4年間のGPA(評点平均)が重要となってくるため、コースワーク、宿題、提出期限厳守など、普段の授業をしっかりこなしていくことで、できるだけ高い評点を維持できるよう毎日を過ごしていく必要があります。
最終的には高校4年間ですべての単位を満たすことで、High School Diploma (高校卒業資格)を取得し、GPAを軸として大学に出願します。(出願する大学により、GPA以外にもSATスコアやAPの履修を求められることもあります。)
2021年7月現在、マレーシアでは米国カリキュラムを採用している学校は意外に少なく、メジャーな学校としては、クアラルンプールに3校、ペナンに1校、ジョホールバルに2校のアメリカンスクールがあります。
Pre-Universityプログラムの難易度番付
マレーシアで最も多い英国式カリキュラムのセカンダリースクールを卒業した後に大学を目指す場合、Pre-Universityプログラムと呼ばれる大学準備課程に進みます。
Pre-Universityプログラムには、英国式Aレベル(2年)、国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)、豪州式高校卒業資格AUSMAT(1年)、カナダ式高校卒業資格CIMP(1年)、そして大学のファウンデーションコース(1年)といった選択肢があります。
各カリキュラムにはそれぞれ特徴があり、難易度も違います。それぞれの修了要件や好成績が取りやすいかどうかを、私たちの独自の視点から番付表にしてみました。
プログラム別難易度番付表
東 | 番付 | 西 |
---|---|---|
国際バカロレア (🇨🇭 IBDP) |
横綱 | —– |
Aレベル (🇬🇧 英国式) |
大関 | —– |
🇦🇺 豪州式 高校卒業資格 |
関脇 | 🇨🇦 カナダ式 高校卒業資格 |
ファウンデーションコース (難易度高い大学) |
—– | |
ファウンデーションコース (難易度低い大学) |
小結 | —– |
—– | 前頭 | 高校卒業資格 (日本) |
ご覧のように、IBDPは東の正横綱、次いで英国式Aレベルが東の大関、関脇に豪州式AUSMAT、カナダ式CIMP、そしてモナッシュ大学マレーシア校やノッティンガム大学マレーシア校など難易度の比較的高いのファウンデーションコース、小結にマレーシアの私立大学のファウンデーションコースがランク付けされます。
マレーシアではIBDPは最も難易度の高いプログラムとされているので、各インターナショナルスクールの少数のトップ層しか進学しません。また、英国式Aレベルもその傾向が強いです。
マレーシアのローカルの生徒は、どちらかというとそれほど負担の多くないと言われている豪州式、カナダ式、そして大学のファウンデーションコースを好んで選びますので、日本人留学生としても自分に最も適したプログラムを選ぶことが重要です。
なお、すべてのPre-Universityプログラムは、成績が修了要件に足りない場合には“Fail”となって落第します。だから、まったく手を抜けないということを理解しておく必要があります。
インター校への留学の手順
マレーシアのインターナショナルスクールへの親子留学や家族での教育移住を目指す場合、一般的に想定される手順がありますので、以下にご案内いたします。
1. ゴールの設定
親子留学や教育移住を目指す場合、まず初めに考えなければならないのが「留学のゴール」です。
例えば、小学校低学年から2〜3年をマレーシアで留学し、その後、日本の中学の帰国生受験を目指すというのも1つのゴールです。
また、セカンダリースクール(中高)から留学し、日本の高校や大学の帰国生受験を目指すのもまた1つのゴールです。
さらには、お子様が海外の大学を目指したいということであれば、高校卒業までマレーシアで学び、海外大学受験を目指すというもの1つのゴールです。
何年マレーシアで過ごすかによって、学費や生活費の予算も進学ルートも大きく変わってくるので、何歳から留学するのであれ、まずは渡航を決意する段階で「いつまでの留学するのか?」というゴールをある程度想定しておくことが重要です。
2. 候補となる学校の選定
ゴールを頭に浮かべたら、次は学校選びです。
学校選びで重要となるは「学費」です。各ご家庭の予算に合う2〜3校をピックアップしてください。
各校の学費については、以下の2つの記事をご参照くださいください。
多くのインターナショナルスクールで入学するのに都合の良いタイミングは、第1学期の始まる「9月」、第2学期の始まる「1月」、そして第3学期の始まる「4月」です。
初めて留学される場合、第2学期や第3学期のスタートや学期の途中からの入学も可能ですが、できれば新学年の第1学期のスタートから加わることが理想的ですので、スケジュール調整されることとお勧めします。
なお、どのエリアに教育移住するかも悩ましいところですが、弊社ではマレーシア全土のインターナショナルスクールへの留学サポートが可能です。カバーエリアの詳細は、以下のページをご参照ください。
3. エージェントを利用するか否かの判断
留学エージェントを利用するか否か、判断する必要があります。
エージェントを利用する場合、学校や生活の情報、学校への個別の連絡、入学試験の案内、合格してから入学するまでのサポートなどのメリットがありますが、その分、費用がかかります。
エージェントを利用しない場合、エージェントを利用する場合と比べて情報量にも差があり、入学までのプロセスはすべて自分で動かなければならないため、精神的・時間的に負担が掛かります。
私たちは、初めての親子留学や教育移住であれば、弊社に限らずエージェントは利用したほうが良いと考えていますが、メリットとデメリットを比較考量いただいた上で各ご家庭でご判断ください。
なお、弊社のサポートをご希望されるようでしたら、無料オンラインカウンセリングを経た上で「インター校留学サポートパック」をお申し込みいただければと思います。
サポートの詳細については、「サービスと料金」のページにてご確認ください。
4. 現地視察
留学予定日の1年前から6ヵ月前には実際の学校を視察し、あわせて住まいの候補物件と生活圏を見ておくことをお勧めしています。
弊社でも、ご要望の学校を2〜3校見学して回るスクールツアーを承っております。
5. 志望校の決定と出願
インター校留学サポートパックにお申し込みいただいた場合、弊社との打ち合わせ後に出願する学校を1つに絞り、入学時期、出願方法、入学試験のプロセスなどを確認します。出願は、弊社を通じて行います。
学校側から入試プロセスについて返答があり次第、お客様にご報告差し上げます。
一般的に、入学試験を受けるために提出を求められる書類は以下のとおりです。
- 願書
- 成績証明書 (過去1〜2年分が一般的)
- パスポートコピー (本人・保護者)
- 顔写真 (本人・保護者)
6. 入学試験
インター校の入学試験は随時行っておりますので、各インター校のアドミッション担当者と入学試験のスケジュール調整を行い、入試の日を確定いたします。
コロナ禍の2021年7月現在、入学試験はオンラインで行われます。ZoomやGoogle Meetを使って、オンラインで英語や算数等の試験を実施して面接も行います。
7. 合否の確認
入学試験の日から7〜10日後、学校から合否の結果の通知があります。
学校によっては基礎的な英語力を求める学校もありますが、多くの学校ではEAL(英語補講クラス)がありますので、落とすための試験というよりは何とかして受け入れようと考慮してくれます。
合格となった場合、学校からオファーレターが発行され、入学承諾書にサインをして学校に返送します。
そして、入学金を納付した段階で入学確定となります。
8. 入学までに提出が必要な書類
入学までに学校に提出する書類は、一般的に以下のとおりです。
◉ ビザ申請のために入国管理局に提出する書類
- 英文の出生証明書 (Birth Certificate)
- 英文の銀行残高証明書
- 英文の保険証券
- 英文の婚姻(離婚)証明
◉ 学校に提出する書類
- 英文の在学証明書
- 英文の成績証明書
- 英文の推薦状
- 英文の各種検定証書
- 予防接種履歴申告書
- 英文の診断書 (持病がある場合)
9. 渡航から入学日までの準備
留学を開始するため、いよいよマレーシアに渡航します。
入学日の2週間前から1週間前ほどにマレーシアに渡航されるケースが一般的ですが、まずはホテルやAirbnbに宿泊し、通学の予行演習、学校指定の制服等の購入、生活圏の現地視察、賃貸物件の視察などを行います。
10. 入学初日
いよいよ入学の日がやって来ます。
日本と違って入学式はありませんが、初日には簡単なオリエーンテーションがあり、学校スタッフから諸々の説明を受けます。
単身留学の場合、お子様を学校に送り届けたら即入寮となり、親子はここでしばしのお別れとなりますので、親御様も心の準備をしておいてください。
11. ビザ申請
入学前あるいは入学時に必要書類を学校に提出すると、学校側は生徒の学生ビザの申請を行います。
親の保護者ビザが必要な場合、学生ビザと一緒に申請してくれる学校もあれば、保護者ビザのみ保護者が自分で申請しなければならない学校もあります。
いずれにしても、まずは観光ビザで入国しているはずなので、入国後すぐに学生ビザと保護者ビザの申請を行い、入国日から90日以内にビザ取得を済ませる必要があります。
学校選びのアドバイス
お勧めの学校はあるのか?
「どの学校がお勧めですか?」というお問い合わせをいただくことがよくありますが、母子「留学 or 単身留学」「ご希望のエリア」「お子様の学年」「お子様の英語レベル」「カリキュラム」「日本人生徒が多いか少ないか?」「留学のゴールはいつか?」という要素によってお勧めできる学校は大きく変わってきます。
要するに、すべての皆さんにとって良い学校というのは存在せず、“誰から見ても100点満点という学校はない”という認識を持つことが大事です。
他社エージェントでは「この学校がお勧めです」と具体的に勧めてくるという話を耳にしますが、この場合、キックバックが多い学校を勧めてくるケースが多いのでご注意ください。
弊社の無料オンラインカウンセリングでは、弊社のコメントにより余計なバイアスをお客様に与えてしまうことがあるため、具体的な学校をお勧めすることはありません。
しかし、気になる学校があれば、その学校についてヒントとなる情報はお伝えできると思いますので、どうぞご遠慮なく無料オンラインカウンセリングをご利用ください。
転校は有りか無しか?
弊社では信頼できる学校を皆様にお勧めしていますが、それぞれのご家庭と学校との相性という問題もありますので、必ずしも初回の学校選びで当たりクジが引けるかどうかという保証はありません。
入学してみて、“なんだかうちの子にとってこの学校は合わないな…”と思ったら、早め早めに転校を検討してみても一切損することはありませんので、もし違和感を感じたら遠慮なく転校を考えてください。
その際、また弊社までのご相談いただいても構いませんので、とにかく貴重な時間を無駄にしないよう早めに判断すべきだと私たちは考えます。
ただ、転校は子供本人の環境がまたゼロからスタートとなって精神的な負担がありますので、親子でしっかりと会話をしてお子さんが転校に納得することが大切ですので、どうぞお子様には気を配ってあげてください。