“Go for it マレーシア教育移住日記”のブログにご訪問いただきありがとうございます。
今回は、マレーシアの私立大学の雄、 テイラーズ 大学の ツイニング プログラムについてのお話しです。
以前の記事『【#103】QS世界大学ランキング2022年版でマレーシアの私立大学が躍進したけど、それを信じて大丈夫なのか?』では、世界ランキングでマレーシアの私立大学が近年順位を上げているけど、生涯賃金の観点ではまだまだ日本の私大2トップである早慶と肩を並べるのは厳しいよ、というお話をしました。
でも、マレーシアの私立大学は海外大学提携プログラムというすごいメニューがあり、これならば日本が誇る早慶をも生涯賃金の面で一発逆転できるかもしれないのです。
今回は、その海外大学提携プログラムの中でも「 ツイニング プログラム」について掘り下げてみました。
テイラーズ大学の ツイニング プログラムがヤバすぎるほど凄い件
マレーシアの大学の種類
公立(国立)大学
公立大学の代表格は、マレーシアの東大と称される最高学府の国立マラヤ大学です。その他、マレーシア2番手で農業学校が起源となる国立プトラマレーシア大学、理系の名門であるペナン島の国立マレーシアサインズ大学をはじめ、約20校ほどの公立大学があります。
公立大学の場合、授業のほとんどがマレー語で行われ、政府がマレー人学生の入学を優先させる政策を執っているため、中華系やインド系マレーシア人でさえ入学が難しく、さらに外国人留学生にとってはかなりの狭き門となっています。
私立大学
2021年現在、マレーシアには、「Unversity」や「University College」と呼ばれる私立大学が40校以上存在します。
私立大学の場合、ほとんどの授業が英語で行われており、多彩な海外大提携プログラムが用意されています。
具体的には、マレーシアと海外大学で決められた年数を過ごして最終的に海外大学の学位が取得できる「 ツイニング 」、マレーシアにいながらマレーシアの大学と海外提携先大学の両方の学位を取得する「デュアルディグリー」、そして米国の大学に編入できる「米国大学編入プログラム(ADP)」があり、これらのプログラムは直接本国の大学に行くよりコストも安いというメリットがあることから、世界中から多くの留学生がマレーシアに集まってきています。
なお、私立大学は、入学時の英語能力の要求基準や高校の高校の成績基準もそれほど高くないことから、マレーシアの大学留学を目指す日本人高校生にとってメインターゲットとなるのは私立大学となります。
海外大学マレーシア分校
2021年現在、マレーシアには10校の海外大学マレーシア分校があります。
代表的なものは、豪モナッシュ大学、英ノッティンガム大学、英サウサンプトン大学、そして中国の厦門大学です。
私たちも注目しているこの海外大学マレーシア分校の魅力は、本国の大学の学位をマレーシアで取得できること、本国に比べて学費が半額程度と安いこと、本国のキャンパスでも1年間などの期間を学習できる仕組みがあることなどが挙げられます。
この海外大学マレーシア分校は、マレーシアの一般的な私立大学と比べて高校成績と英語力の要求水準が高く、入学するのはそれほど簡単ではありませんが、マレーシアのインター校に通っている生徒にとってはそれほど高い基準ではなく、ファウンデーションコースからの入学もできるので、十分に狙える大学だと言えます。
私立大学における海外大学提携事例 (テイラーズ大学)
ツイニング 、デュアルディグリー、米国大学編入など、多彩な海外大学提携プログラムを持つマレーシアの私立大学ですが、その中でもとりわけプログラムが充実しているのが、私立トップであるテイラーズ大学です。
2021年6月に発表された2022年版QS世界大学ランキングでマレーシアの私立大学トップとなったテイラーズ大学(332位)は、多様な海外大学提携プログラムがローカルのマレーシア人の生徒にも高い人気があります。
テイラーズ大学のHPを見てみると、海外大学提携プログラムを以下のように説明しています。
As an internationally connected university, we not only offer semester exchange programmes but also a number of planned transfer and articulation pathways for students who wish to complete their studies elsewhere in the world.Taylor’s University articulation partners comprise of highly ranked and globally well-known universities in countries such as the UK, USA, Australia and New Zealand.
Our American Degree Transfer Program (ADP), which is based within the School of Liberal Arts & Sciences, was developed to allow students to take the majority of their US general education classes in Malaysia. Given that all ADP students will transfer overseas, we have also signed a number of planned articulation pathways with leading US institutions (as well as with some institutions in other countries such as Canada and Australia). In addition, we also have an extensive number of credit transfer precedents with other US institutions that have been established over many years.
国際的につながっている大学として、私たちは学期交換プログラムを提供するだけでなく、世界の他の場所で勉強を完了したい学生のためにいくつかのパスウェイを提供しています。テイラーズ大学の海外パートナーは、英国、米国、オーストラリア、ニュージーランドなどの国々で、世界ランクが高く有名な大学で構成されています。
リベラルアーツ&サイエンス学部を拠点とする米国編入プログラム(ADP)は、学生がマレーシアでの米国の一般教育クラスの大部分を受講できるようにするために開発されました。すべてのADP学生が海外に転校することを考慮して、米国の主要な教育機関(およびカナダやオーストラリアなどの他の国の一部の教育機関)との間で、いくつかの計画されたアーティキュレーション経路にも署名しました。さらに、長年にわたって確立されてきた他の米国の機関との多数の単位移転の先例もあります。
引用元: Taylor’s University
以下の表をご覧いただくと、テイラーズ大学では全部で14の学部がありますが、その内、ほとんどの学部で海外大学提携プログラムがあり、 ツイニング 、米国大学編入プログラム(ADP)、修士提携プログラムの3種類のプログラムをオファーしています。
専攻 | 提携国と学位 |
School Of Architecture, Building And Design 建築学部 |
英( ツイニング ) 豪(修士) NZ(修士) |
School Of Biosciences バイオサイエンス学部 |
英( ツイニング ) 豪( ツイニング ) カナダ( ツイニング ) |
Taylor’s Business School ビジネス学部 |
英( ツイニング ) 豪( ツイニング ) |
School Of Food Studies & Gastronomy 食品学部 |
英(修士) 豪( ツイニング ) |
School Of Media & Communication メディアコミュニケーション学部 |
豪( ツイニング ) |
School Of Computing Science and Engineering コンピュータサイエンス&エンジニアリング学部 |
英( ツイニング ) 豪( ツイニング ) |
The Design School at Taylor’s デザイン学部 |
英( ツイニング ) 豪( ツイニング ) |
School Of Hospitality, Tourism And Events ホスピタリティ&観光イベント学部 |
英(修士) 豪( ツイニング ) |
Taylor’s Law School 法学部 |
英( ツイニング ) |
School Of Pharmacy 薬学部 |
豪( ツイニング ) NZ( ツイニング ) |
School Of Liberal Arts & Sciences リベラルアーツ&サイエンス学部 |
米(編入) 豪(編入) カナダ(編入) |
School Of Medicine 医療ヘルスケア学部 |
なし |
School Of Education 教育学部 |
なし |
Taylors Culinary Institute 調理学部 |
なし |
引用元: Taylor’s University
海外大学提携プログラムの中でも「 ツイニング 」が圧倒的に多く、テイラーズ大学の看板プログラムとなっているのがお分かりいただけると思います。
ツイニング とは
イギリスやオーストラリアなどの大学に留学する場合、授業料や生活費がかなり高額になって行きたくてもなかなか手が出ないといったこともあるかと思いますが、マレーシアの私立大学には、費用を抑えつつもイギリスやオーストラリアをはじめとする海外大学の学位を取得できるという裏技的な方法があります。
その1つが「 ツイニング 」と呼ばれている海外大学提携プログラムで、通常3年間の大学生活のうち、前半をマレーシアの大学で学び、後半を海外提携先大学で学ぶことで、最終的にはマレーシアの大学の学位ではなく提携先の海外大学の学位を取得します。
前半と後半の年数によって、「1+2(ワンプラスツー)」「2+1(ツープラスワン)」「3+0(スリープラスゼロ)」などに分けられます。
- 1+2 (ワンプラスツー)
前半の1年間をマレーシアの大学で学び、後半の2年間を海外の大学で学んで、最終的には提携先の海外大学の学位を取得します。 - 2+1 (ツープラスワン)
前半の2年間をマレーシアの大学で学び、後半の1年間を海外の大学で学んで、最終的には提携先の海外大学の学位を取得します。 - 3+0 (スリープラスゼロ)
3年間すべてマレーシアの大学で学び海外の大学には行きませんが、最終的には提携先の海外大学の学位を取得します。
この ツイニング は、コストを抑えつつ海外の有力大学の学位を取得できる大きなメリットがあるため、世界中の学生がマレーシアに集まってこのプログラムで学んでいます。
学費が抑えられると言っても、海外大学で学ぶ期間は現地価格の学費となるため、マレーシアで全期間学ぶ通常の私立大学のコースと比べると費用は高くなる点には注意が必要です。
できるだけコストを抑えたいのであれば「3+0」が最も安く、次いで「2+1」「1+2」の順に学費は次第に高くなっていきますが、それでも英豪の大学に直接入るよりはコストを抑えることができます。
ということで、 ツイニング はマレーシアの大学入学をファーストステップとして最終的には海外の有力大学の学位を取得できる魅力あふれるプログラムなのです。
テイラーズ大学の ツイニング プログラム
ビジネス学部の例
テイラーズ大学ビジネス学部には、以下のように8つの専攻があります。
# | ビジネス学部の専攻 | ツイニング | 提携国 |
---|---|---|---|
❶ | Bachelor of Business (Hons) | あり | 英, 豪 |
❷ | Bachelor of Business (Hons) International Business & Marketing |
あり | 豪 |
❸ | Bachelor of Arts (Hons) Accounting & Finance |
あり | 豪 |
❹ | Bachelor of Business (Hons) Banking & Finance |
あり | 豪 |
❺ | Bachelor of Business (Hons) Finance & Economics |
あり | 豪 |
❻ | Bachelor of Science (Hons) Actual Studies |
あり | 英 |
❼ | Bachelor in Entrepreneurship (Team Entrepreneurship) (Hons) |
なし | — |
❽ | Bachelor in Accounting (Fintech) (Hons) | なし | — |
引用元: Taylor’s University
この内、 ツイニング があるのは6つの専攻となり、提携先は英国と豪州の大学となります。
上記表の一番上にある専攻「❶Bachelor of Business (Hons)」を見てみると、以下のように英国と豪州の大学のツイニングプログラムが用意されています。
英国の大学ではQS世界ランキング62位のブリストル大学と439位のエセックス大学、豪州の大学では47位のクイーンズランド大学、108位のアデレード大学、そして283位のディーキン大学という錚々たる面々が名を連ねています。
◉ 英国ブリストル大学とのツイニング (1+2)
ブリストル大学は、英国の最高峰の24大学で構成されるRussel Groupに加入している超名門大学です。
ツイニング では、マレーシアのテイラーズ大学で1年学んだ後、後半の2年間は「国際ビジネスマネジメント」「マーケティング」「マネジメント」の中から学びたい専攻を選び、英国のブリストル大学で学習します。
◉ 豪州クイーンズランド大学との ツイニング (1.5+1.5)
豪州の中でもトップ8大学で構成されるGroup of Eightに加入している超名門クイーンズランド大学との ツイニング では、前半の1.5年をマレーシアのテイラーズ大学で学んだ後、後半の1.5年を豪クイーンズランド州・ブリスベンにあるクイーンズランド大学で学びます。
専攻は、「ビジネスマネジメント」「コマース」「国際ホテル&観光マネジメント」の中から選ぶことができます。
法学部の例
もう1つ、法学部の例を見てみましょう。
マレーシアでも日本と同様に、法学部は文系学部の中では比較的難しい学部と言われています。
テイラーズ大学法学部の ツイニング パートナーとなる提携大学は英国のみですが、それでもすごい面々が揃っています。
法学部の ツイニング パートナーとなるのは、QS世界ランキング27位のマンチェスター大学、92位のリーズ大学、95位のシェフィールド大学、151位のカーディフ大学、189位のリバプール大学、202位のレディング大学、そして801〜1000位のウエスト・オブ・イングランド大学といった名門大学です。
◉ 英国レディング大学とのツイニング (1+2) (2+1)
この内、レディング大学との ツイニング は「1+2」または「2+1」となり、プログラム後半は英国のレディング大学で Bachelor of Laws を学ぶことができます。
以前の記事『QS世界大学ランキング2022年版でマレーシアの私立大学が躍進したけど、それを信じて大丈夫なのか?』でお伝えしたように、QS世界大学ランキングでマレーシアの私立大学は近年大きく順位を上げつつも、世界上位の大学と比べるとまだまだ大きな差があります。
しかし、テイラーズ大学のツイニングパートナーである英国や豪州の大学の世界ランキングはかなり高く、中にはトップ100に入る大学も少なくありません。
したがって、日本の私立大学の2トップである慶應義塾大学(201位)と早稲田大学(203位)と比較しても、テイラーズ大学をファーストステップとして英国や豪州の学位が取得できる ツイニング プログラムには大きな魅力があるわけです。
テイラーズ大学の ツイニング を修了した社会人インタビュー
そこで、テイラーズ大学の ツイニング を修了し、今は社会人となってキャリアを積むMさんにお話を聞かせていただきました。
— 恐れ入りますが、最初にご自身のざっくりと属性を教えていただけますか?
Mさん 社会人歴10年未満、マレーシア人女性です。母国語は英語で、その他に中国語、マレーシア語、日本語が話せます。
テイラーズ大学に入学し、英国のレディング大学の ツイニング を修了しました。
— テイラーズ大学に入学する前にどのPre-Universityプログラムで学んだのですか?
Mさん ローカルのセカンダリースクールでIGCSEを修了した後、Aレベルに進むか他のプログラムに進むかで少し悩みましたが、結局、テイラーズカレッジで豪州式の高校卒業資格を取得できるAUSMATプログラムを選びました。
— どうしてAUSMATを選んだのですか?
Mさん いつくかあるPre-Universityプログラムの中で、Aレベルは100%試験評価であるのに対し、AUSMATはコースワーク評価50%、試験評価50%でバランスが良く、私にはAUSMATのほうが向いていて点数が取りやすいと思って選びました。あと、オーストラリアの大学進学も少し視野に入れていたことも理由の1つです。
— AUSMATの難易度と成績はいかがでしたか?
Mさん 数あるPre-Universityプログラムの中では、最難関は国際バカロレア(IB)、次いで英国式のAレベル、その下に豪州式のAUSMATやカナダ式のCIMP、それから各大学のファウンデーションコースがあると思います。AUSMATはコースワークをしっかりやっていれば、それほど難易度は高くないと思います。ちなみに、私のAUSMATでの成績はそれほど良くはありませんでしたけど(笑)
— AUSMATでは履修する科目は選択できるのですか?
Mさん 他のPre-Universityプログラムと同様に、大学でどの専攻に進むのかによって学ぶ科目が違ってきます。例えば、エンジニアを目指すのであれば、数学の科目を多く取らなければなりません。なので、大学で進む学部を視野に入れて科目を選択する必要があります。
— AUSMATを修了した後、どうしてテイラーズ大学を選んだのですか?
Mさん テイラーズ大学の ツイニング プログラムに魅力を感じました。 ツイニング は、テイラーズ大学で海外提携先大学のプログラムを学び、最終的には海外大学の学位を取得できるところに大きなメリットがあります。
大学進学の際、両親は「大学に行くなら先生と呼ばれるような仕事に就ける学部でなければならない。だから、医学部、法学部、会計学部の中から選びなさい」と私に条件を出しました。「それ以外の学部なら学費は出さない」とかなり強硬に…(苦笑)
Shingo マレーシアの親御さんもなかなか厳しいですね…
Mさん 私は数字が好きじゃなかったので、この中なら法学部が向いてるかなと思って選んだのですが、別に弁護士になりたいと思っていたわけではありません。消去法です(笑)
テイラーズ大学の法学部は海外提携先に英国の大学があり、レディング大学の「1+2」なら2年間イギリスで学ぶことでき、キャンパスはロンドンからも電車で30分ほどの近さでいいなと思ってレディング大学の ツイニング に決めました。
— 実際、イギリスでの2年間はいかがでしたか?
Mさん 現地の学生とまったく同じように学び、週末にはたまに友人と一緒にロンドンに出かけたりして、キャンパスライフをエンジョイしてました(笑)
— ツイニング では最終的に提携先大学の学位を取得しますが、ご本人の感覚としてはテイラーズ大学とレディング大学のどちらも卒業したという感覚なのですか?
Mさん テイラーズ大学を卒業したという感覚はまったくないですね。 ツイニング は提携先の大学のプログラムをマレーシアで1年・海外で2年学ぶというプログラムなので、テイラーズ大学のプログラムではありません。なので、私としては学位も意識もあくまで英国レディング大学卒という認識です。
Shingo それはけっこう意外…
— 教育の質や内容はマレーシアと英国ではまったく同じなんですか?
Mさん マレーシアのテイラーズ大学で学ぶ期間はマレーシア人の先生です。正直なところ、先生の教え方、知識の深さ、評価の仕方、そしてトータルの教育内容は、レディング大学のイギリス人の先生のほうがクオリティは高いと感じました。マレーシア人の先生は、成績評価も辛かった印象です。
Shingo なるほど、やっぱり違いはあるんですね。
— レディング大学を卒業した後、どういう道に進んだのですか?
Mさん イギリスで学位を取得した後、マレーシアに戻りたくなくて、どこか海外で働きたいと思っていた中、賃金水準やビザの観点から選択肢を東アジアに絞り、それならやはり経済大国である日本が給料の面でも一番高いだろうなと思って日本に行くことに決めました。
そして、まずは日本の語学学校で日本語を学び始め、さらに早稲田大学の短期日本語集中プログラムで学んだ後、日本の某大手メーカーに就職しました。
Shingo おおー、あの世界的にも有名な某大手メーカーですね。
— 就職してからはどういうお仕事をされてたんですか?
Mさん ずっと人事畑でのキャリアを歩んできました。
私はマレーシアで生まれ育ちましたが、母国語は英語です。中華系マレーシア人なので、中国語とマレー語も普通に話すことができます。そして日本語を勉強して話せるようになっていたので、世界中の国から社員が集まる大手メーカーの中で私の強みである語学力を発揮できる人事部に配属されたのだと思います。
— その後、転職のご経験は?
Mさん 大手メーカーに6年勤務した後、日本企業だと賃金などの向上があまり期待できないと感じて、キャリアチェンジを目指して退職しました。グローバル会計コンサルのメキシコ支社に転職し1年間勤めたのですが、メキシコはマレーシアから遠いということと、やはり文化がかなり違って生活にうまく馴染めず体調を崩してしまったので、1年ちょっとで退職してマレーシアに戻りました。
その後、コロナ禍となり、オンラインで就職活動をしていたところ、日本にあるグローバル企業のアジアヘッドクォーターの人事部にご縁があり転職が決まりました。いずれまた日本で働きたいという希望もあったのですが、たまたま就活版のFacebookと呼ばれているLinkedIn(リンクトイン)でスカウトの連絡があり、応募して採用されました。今は人事部のマネージャーとして働いてます。
— ご自身では、採用された決め手はどこにあると思われますか?
Mさん LinkedInの場合、学歴と職歴がすべて公開されているのですが、まずはこれまでの人事畑のキャリアを評価してくれたことと、英国レディング大学卒ということで英語能力の要求水準を満たしていることが評価されたのだと思います。
— グローバル企業に転職されたとのことですが、やはり賃金は日本企業と比べて高いのですか?
Mさん 今回の就職活動では、新卒で入社した以前の職場(大手メーカーの人事部)もたまたま求人を出していたのですが、その賃金はおおよそ年収500万円くらいで、日本の30歳前後のサラリーマンの平均的な給与額だと思います。
これに対して、今の会社は概ね2倍の給与です。つまり、レディング大学卒だとグローバル雇用体系の中でのグローバル採用となるのですが、日本の企業だと日本の雇用体系の中での採用となるので、賃金水準はどうしても日本の基準になってしまいます。
Shingo 倍も違うのかぁ、ちょっとショックですね…(苦笑)
— 人事のマネージャーとのことなので思い切って聞きちゃいますが、グローバル採用の人材のほうが日本人より優秀なのでしょうか?
Mさん 全然そんなことありませんよ。日本人でも優秀な方はたくさんいますし、尊敬できる上司もたくさんいます。ただ、グローバル企業の場合、ほとんどの上司が外国人です。実際、私の直属の上司はマレーシア人だし、さらに上にはイギリス人、アメリカ人、香港人の幹部がいます。なので、すべてのコミュニケーションはグローバル共通言語である英語となるので、英語能力が十分であることが前提となるわけです。だから、例え優秀な日本人の社員がいたとしても、英語が話せないとどうしてもそこから上のキャリアに進めないということがあるのです。
— 今後はご自身のキャリアでどのような展望をお持ちですか?
Mさん 今は、マレーシアからリモートで仕事をしていますが、私は日本が好きなので、早く日本に行きたいのです。コロナ禍が収束するまでは、しばらく我慢する必要がありますね。
— 最後にこれから ツイニング プログラムで学びたいという学生さんに一言アドバイスをいただけますか?
Mさん グローバル企業の人事部マネージャーの立場として言えるのは、テイラーズ大学をはじめとするマレーシアの ツイニング プログラムはグローバルキャリアを踏み出すための第1歩として非常に魅力があるということです。
ツイニング 提携先大学の世界ランキングは1つの重要な要素となりますので、せっかくツイニングで学ぶなら、ランキングの高い提携先大学のプログラムを選ぶことをお勧めします。LinkedInなどのSNSで候補者を探す時、人事部は必ずその人の出身大学をチェックします。そこで、英国、米国、オーストラリアなどの英語圏かEUの英語プログラムの大学で世界ランキングの高い大学であれば、候補者としてリストアップされます。だいたい世界200位前後までで探すことが多いので、ランキングができるだけ高い大学を選んだほうがその後にキャリアにつながると思います。
Shingo いろいろお聞かせいただいて、ありがとうございました。
テイラーズ大学への進学ルート
マレーシアのインター校から
テイラーズ大学のHPを見ると、マレーシアのインター校からテイラーズ大学への入学を目指す場合、実に様々なルートがあります。
引用元: Taylor’s University “Education Pathway for Taylor’s Business School”
◉ Pre-Universityプログラム経由 (難易度 : 高め)
まず、Pre-Universityプログラムに進むための前提条件として、セカンダリースクールの修了成績(IGCSEなど)でEnglishとMaths含み5C以上であることが必要です。
そしてPre-Universityプログラムでは、英国式Aレベルなら2E以上、豪州式AUSMATなら60%以上、カナダ式CIMPなら6科目平均で60%以上、国際バカロレア(IB)なら6科目で24点以上、モナッシュ大学ファウンデーションコースなら400点中255点以上の成績があれば出願することができます。
◉ ファウンデーションコース経由 (難易度 : 中間)
テイラーズ大学が提供しているPre-Universityプログラムであるファウンデーションコースは、1年間のコースです。
大学でビジネス学部を目指す場合のファウンデーションコースの出願基準は、セカンダリースクールの修了成績(IGCSEなど)でEnglishを含み5C以上が必要です。
Taylor’s Collegeなお、ファウンデーションコースは、大学本科で進みたい学部によってコースが異なりますのでご注意ください。
◉ ディプロマコース経由 (難易度 : 低め)
ディプロマコースは、大学の准学士を取得するためのプログラムで、短大のイメージに近い2年間課程のコースです。
まず、ディプロマコースに入学するためにはセカンダリースクールの修了成績(IGCSEなど)でEnglishとMaths含み3C以上であることが必要です。
そして、大学(University)に進学するためには、ディプロマコースの修了資格を取得していることが必要です。
Taylor’s Collegeディプロマコースから大学本科進学を目指す場合、進みたい学部によってコースが異なりますので注意が必要です。
日本の高校から
日本の高校からテイラーズ大学(University)を目指す場合、入学試験はありません。
その代わり、高校の成績と英語能力の証明が必要です。
◉ 高校の成績
日本の高校を卒業してからマレーシアの大学への入学を目指す場合、高校の卒業資格があることと、高校の成績で一定の要求基準をクリアしている必要があります。
目指す学部によって求められる成績の基準は違いますが、ビジネス系の学部であれば主要5科目(国/数/英/社/理)の5段階評価で平均3以上、もしくは全科目の5段階評価で平均3以上が概ねの目安となります。
◉ 英語能力の証明
日本の高校生がテイラーズ大学のビジネス学部に出願する場合、英語検定の成績を提出しなければなりません。
成績は、IELTSなら5.0、TOEFL(IBT)なら34のスコアが必要です。
英語力の要求基準は意外に高いのですが、もしこの基準に達していない場合でも、大学の英語集中コースを受講することを条件に入学が許可されることも多くあります。
また、大学(Taylor’s University)に直接入学することができなかったとしても、カレッジ(Taylor’s College)でファウンデーションコースやディプロマコースにいったん入学し、その後に大学本科(Bachelor)を目指すことも可能なので、複数のチャンスがあります。
大学・短大・カレッジ
留学サポートパック
- Email、オンライン面談などの方法による大学・カレッジ留学に関する事前相談
- 候補の学校への問い合わせ代行とお客様への日本語でのご報告
- 最終的な志望校(1校)への必要書類確認と出願のサポート
- 学生ビザ取得に関するアドバイス
- 学生寮または賃貸物件のお申し込みサポート
- 入学決定後の入学手続サポート及び授業初日までのサポート
- 携帯加入・銀行口座開設・保険加入に関するアドバイス
【料 金】お1人様1校あたり100,000円 (税込110,000円)
【有効期間】お申し込み日を起算日として365日 (情勢により入国できない場合は延長いたします)
ツイニング プログラムのあるその他の大学
ツイニング のある他の私立大学一覧
- Sunway University
サンウェイ大学 - UCSI University
UCSI大学 - INTI International University & College
インティ国際大学 - Help University
ヘルプ大学 - Segi University College
セギ大学
ツイニング プログラムの注意点
ツイニング の注意点
- ツイニング には成績などの基準があり、誰もが提携先大学に行けるとは限らない。
- 提携先大学で学ぶ期間の学費は現地の価格となるので、マレーシアで学ぶより高くなる。
- マレーシア、イギリス、オーストラリアの大学のバチェラーの学位は通常3年間で修了するが、中には3年以上の期間かかる専攻もある。
大学1年目の学業が振るわず ツイニング の成績基準を満たせない場合、海外大学に行けないこともあるので要注意です。
まとめ
ツイニング は幅広い私立大学でオファーされている私立大学の看板メニューとなっている
ツイニング を修了すると、英国や豪州の名門大学の学位を取得でき、将来のキャリアにとって大きなプラスとなる
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次回に続く
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