“Go for it マレーシア教育移住日記”にご訪問いただきありがとうございます。
2021年のお正月に、中学受験塾に関するネット記事を読みました。
我が家の息子も小学4年から日本の中学受験を目指していましたが、詰め込み教育の対する懸念から5年生の時に路線変更してマレーシアに親子留学することとなりました。
マレーシアの インター校 に入学して感じたこと、そこから拓ける将来の可能性について書いてみました。
“中学受験の塾通い、3年間で300万…”という記事を読んで思うこと -サピックスと インター校 の学費比較-
“中学受験の塾通い、3年間で300万…”という記事
その記事がこれ。
中学受験の塾通い、3年間で300万超…6年の1月分塾代が30万! 子どもへの”投資”は何のため?(2021.1.2) まいどなニュース
お時間許すようでしたら上記記事を読んでいただきたいのですが、この記事のポイントを端的に記した部分を切り出すと以下のとおりです。
「中学受験をする場合、カリキュラムがスタートする小3の2月(新4年)から進学塾に通うのが王道です。各学年の通常授業料や施設利用料、講習費など年間にかかる費用(4科目コース)を見てみますと、4年生は約90万円~110万円、5年生は約100万円~120万円、6年生は約110万円~140万円という相場となっています」
「そして3年間トータルでは、少なくとも300万~360万円の費用がかかります。注意していただきたいのが、塾によって4年生でかかる費用は比較的安めで油断をしていると6年生に上がって急激に高くなるところもありますので、入塾の際には3年間トータルでどれくらいの費用がかかるのかも調べておくとよいでしょう」
引用元: まいどなニュース
中学受験の塾通い、3年間で300万超…6年の1月分塾代が30万! 子どもへの”投資”は何のため?(2021.1.2)
我が家も小4から小5の1学期までサピックス(SAPIX)に通っていたので、この状況は実体験としてよく理解しています。
つまり、中学受験には結構お金がかかるということです。
中学受験塾の実際
我が家の場合、息子は保育園の時に七田式、小1からピグマリオンに通い、その後中学受験を見据えて小4でサピックスに通い始めました。
夜20時ごろ、サピックスの授業が終わる頃に校舎まで息子を迎えに行き、授業が終わったら自宅まで一緒に帰っていたのが、今となっては懐かしい思い出です。
小4の場合、サピックスでは夕方から夜にかけて週2日授業があります。その授業料は4万円強で、サピックスのホームページの“FAQ”に授業料の記載がありましたが、このページだけ見ても年間トータルコストが把握できないので他に探してみたところ、ちょうど良いブログ記事を見つけました。
それが、中学受験にまつわることを記した“ゆめねこ手帳”さんのブログ記事。
引用元: ゆめねこ手帳 筑駒・桜蔭挑戦記@yumeneko365
“SAPIX(サピックス)3年間全ての費用(授業料・教材・交通費)実録【随時更新】”
小4で、なんと年間63万円のコスト!!
春期・夏期・冬期講習の授業料、通学交通費、キッズ携帯代、お弁当代などのコストがかかります。
さらに驚きなのは、サピックスは宿題の量が多すぎて、それをなんとか捌いていかないと成績順で構成されるクラスからズルズルと遅れを取り、偏差値が右肩下がりになって取り返しがつかない状況に陥るので、サピックスの宿題をフォローするための家庭教師や塾まであるんです。それに子供を通わせる場合、さらに追加のコストがかかることは言うまでもありません。
さらにサピックスの学費については、教育情報ポータルサイト“ReseMom”を見ると分かりやすいのですが、授業料は年を重ねるごとにどんどん上がり、小6ではなんと年間134万円もかかるそうです。
サピックスの授業料
引用元: ReseMom
“【中学受験の塾選び】サピックス小学部の特徴と費用、塾活用ポイント(2018年度版)”(2018.3.3)
サピックスと インター校 の学費比較
僕たちが教育移住しているマレーシアのインターナショナルスクールの学費水準は、学校によって松・竹・梅はあるものの、価格が高ければ教育のクオリティも高いとは必ずしも言い切れず、一方で学費が安くても良い学校はあります。
学費は安いが教育のクオリティが良さそうなインターナショナルスクールの1つが、先日、僕がオープンデーに参加して衝撃を受けたアジアパシフィック・インターナショナルスクール(Asia Pacific International School、略字APIS)です。
そのアジアパシフィック・インターナショナルスクールとサピックスの学費を、ここで比較してみたいと思います。
日本の小4(10歳)は、ケンブリッジ式インターナショナルスクールではYear5(誕生月によってはYear6)になるのですが、中学受験塾サピックスとアジアパシフィック・インターナショナルスクールの学費を単純に比較したものが以下の表です。
学年 | サピックス授業料(年) 参照:リセマム |
APIS学費(年) |
---|---|---|
小1(Year1) | 18万円 | 20,670RM (約54万円*) |
小2(Year2) | 22万円 | 23,130RM (約60万円*) |
小3(Year3) | 30万円 | 25,800RM (約67万円*) |
小4(Year4) | 58万円 | 28,200RM (約73万円*) |
小5(Year5) | 73万円 | 30,480RM (約79万円*) |
小6(Year6) | 134万円 | 32,910RM (約84万円*) |
*1リンギット(RM)=26円で計算
ケンブリッジ式インターナショナルスクールでは5歳からプライマリースクール(小学校)のYear1が始まるので、日本の学校教育法の下での小1より1年早く小学校がスタートします。したがって、ケンブリッジ式と日本の学年がきっちり整合する訳ではありませんが、概ね重ね合わせることができるものと仮定すると、上記のとおりとなります。
そして、本格的に中学受験の準備がスタートする小4から小6までの3年間のサピックスの学費合計額と、アジアパシフィック・インターナショナルスクールのYear4からYear6の3年間の学費合計額を比較してみるとこうなります。
高学年 | サピックス 3年間学費 |
APIS 3年間学費 |
---|---|---|
小4(Year4)〜小6(Year6) | 265万円 | 236万円 |
過去にまとめたブログ記事“【#15】2020-21年度版!クアラルンプールのインターナショナルスクール、学費など統計データまとめ (主要58校)”でもお伝えしたように、アジアパシフィック・インターナショナルスクールの他にも学費が“もっとも安い”に分類されるインターナショナルスクールは19校もあります。
各インターナショナルスクールの学費帯については、以下のインターナショナルスクール一覧の記事をご覧ください。
実際の学校の良し悪しについては、僕は各校を見た訳ではないので責任は持てませんが、例え学費が安くても、アジアパシフィック・インターナショナルスクールのように実際に訪問して話を聞いてみると“良いな”と思える学校があります。
僕は留学エージェントではないので、各校の中身についてはあくまで自己責任でお調べいただくしかないのですが、マレーシアには学費が安くてもクオリティが良いというインターナショナルスクールはきっと見つかると思うのです。
サピックスに息子を通わせていた経験のある親の考えとしては、受験して偏差値の高い中学に入ることができたとしても、それが必ずしも正解とは限らないと思うのです。
その辺りの詳細は、第1回のブログ記事“【#1】マレーシアへの教育移住、それぞれの親子の決断 – Introduction 1/6”で述べていますのでご参照いただければと思いますが、有名中学に入学できたとしても必ずしも英語が話せるようにはならないし、そもそも中学受験は大学受験に向けての詰め込み教育の第一歩に過ぎないと思うのです。(個人的な意見なので異論があることは重々承知してます。)
さらに、中学受験をすることによる“燃え尽き症候群”というリスクも社会問題になっていて、ネット上ではこういった記事も散見されます。
“「進学塾から私立中高」で燃え尽き症候群に…子が壊れる進路” (2020.7.22)
“難関私立中に合格したのに、“中堅大学”に進学……4浪の息子は「中学受験の燃え尽き症候群」だった” (2020.11.15)
まだ10歳になったばかりの子供に中学受験でガリ勉させるのは、やはりリスクが伴うのだと思うのです。
こういった側面を見ると、中学受験は小学生の子供にはかなりの消耗戦を強いることとなり、親としては“そこまでやる必要があるのか?”ということをどうしても考えてしまいます。
母子留学でも帰国枠で中学受験できるのか?
https://go-for-it-malaysia.com/kjs-02/
我が家の場合、現在息子はマレーシアのインターナショナルスクールに通っていますが、もしかしたら日本の高校受験あるいは大学受験で帰国する可能性もありますので、帰国生受験についても調べています。
そこで思うのは、もし中学受験するとしても、小学校の小さい学年のうちにマレーシアのインターナショナルスクールに留学して2〜3年英語を勉強し、その後、帰国生(海外生・国際生という場合もある)として中学受験するという道も十分考えられます。
実際、息子と同時期に留学した当時小4の子たちは、2年間のマレーシア留学を経て日本に帰国し、英検2級にラクラク合格します。
広尾学園や三田国際学園など、先進的な英語教育で人気の中学校の帰国生受験では、倍率が高すぎて英検2級レベルで合格は難しい(準1級レベルが必要)という学校も正直ありますが、英検2級の英語力でもポテンシャルを評価してくれて合格をいただける学校はあります。
注意が必要なのは、ほとんどの中学校の帰国生受験では“親の海外赴任に伴い海外の学校に通った生徒”ということを帰国枠受験の条件している学校がほとんどで、母子留学では帰国生受験を認めないケースが割と多くあること。(帰国生ではなく海外生・国際生としてこの条件に関係なく受験できる学校もあります。)
これはおそらく、母子留学をすることによって帰国枠での受験が安易にできるようになると、ある意味で“正規の受験からの抜け道”になる懸念があるという意図から、多くの中学では親の海外転勤に伴うことを条件としているようなのです。
文部科学省の“帰国子女”の定義に関する見解
多くの中学校が定めている“帰国子女の定義から母子留学は除外する”ということについてはいまいち釈然としない部分があるので、先日、文部科学省の担当部署である総合教育政策局国際教育課に電話をして“帰国子女の定義と法的根拠”について確認してみました。
そのやりとりは、以下のとおりです。
—帰国子女の定義って何ですか?
文科省職員「文部科学省としては、一般に広く認知されているのと同様に、“親の勤務の関係などから長年海外で生活して帰国した子供”と認識しています。」
—それは、例えは学校教育法など具体的な法律で定められたものですか?
文科省職員「何らかの法律で定められた概念ではなく、法的根拠はありません」
—多くの中学の帰国生受験の条件では“親の転勤に伴う場合に限る”としているが、それは文科省としてどのように把握してますか?
文科省職員「どういう子を帰国生の対象とするかはそれぞれの学校設置者の判断になるので、文科省から何か指導していることはありません」
—つまり、文科省から、公にあるいは個別に各学校に指導してる訳ではないということですね?
文科省職員「入試に関しては学校設置者の判断になり、文科省から特に各学校に指導したり話をしたりするということはありません」
—文科省としては、多くの学校が帰国生入試において“海外転勤に伴う場合を子女である”ということを条件としていることは把握されてますか?
文科省職員「把握してます」
—そうすると、もし帰国生として受験するなら、各学校が決める帰国生の要件に当てはまらないと受験できないということになりますか?
文科省職員「学校の判断なので、そうなるかと思います」
以上ですが、要するに帰国子女の定義については国が法律で定義している訳ではなく、あくまで各学校が定める基準によるとのことです。
その各学校ですが、表向きには“親の転勤の伴って海外で生活して帰国した子供”ということを条件としているケースが多いのですが、実際には“英語力がある生徒は採りたい”という本音が透けて見えます。なぜならいくつかの中学校では、“この定義に当てはまらない場合(母子留学や単身留学)は個別にご相談ください”としている学校もけっこうあるからです。
なので、母子留学や単身留学であっても、帰国子女として中学や高校に帰国枠で受験するチャンスはあるということなのです。
実はもっと裏技もありますが、ちょっと公にしづらいので、どうしても聞きたい場合は先着3名様に限りお伝えしますのでお問い合わせください(笑)
留学に踏み出すことで広がる選択肢
中学受験のメリットとデメリット、マレーシア留学のメリットとデメリットはそれぞれあるので、各ご家庭のご判断になるかと思いますが、実際にマレーシアに教育移住している親の1人として意見を言わせていただければ、小学生の早いうちにマレーシアに留学するメリットはけっこう大きいと思っています。
マレーシア留学のメリット
- コストが安い(生活費含む)
- 若ければ若いほど英語が身につくのが早い
- 日本に帰国するとしても3回も帰国枠受験のチャンスがある
- そのまま行けば世界の大学にチャレンジできる
上記のチャートは、マレーシアのインターナショナルスクールで多く採用されているイギリス式カリキュラムを想定していますが、それ以外にも国際バカロレア(IB)、オーストラリア式カリキュラム、アメリカ式カリキュラム、カナダ式カリキュラムのインターナショナルスクールがあります。
選択肢は幅広く、希望のカリキュラムから学校を決めることもできます。
我が家も、万が一のために日本の帰国枠受験も頭の片隅に入れて受験に必要な英検取得を視野に入れてますが、IGCSEからAレベルやファウンデーションコースに進むことができるなら、息子にはそのまま海外の大学を目指してほしいと思ってます。
僕は最近、英語圏だけではなく中国語圏の大学にも興味を持ち始め、息子には“台湾の大学も良いよね!”と仕向けています(笑)
息子の将来はまだどうなるか分かりませんが、英語圏の大学も中国語圏の大学も可能性はゼロではないので、子供といろいろ話し合いながら将来を考えていきたいと思っています。
まとめ
留学すれば、いずれ日本に帰国するとしても帰国枠で3回の受験チャンスがある
留学することで将来の進学の選択肢が大きく広がる
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次回に続く
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