“Go for it マレーシア教育移住日記”にご訪問いただきありがとうございます。
今回はクアラルンプール近郊の インターナショナルスクール 統計データまとめと題して、主要58校の情報を集計してみました。
統計情報をグラフを使ってまとめてみると、大雑把にしか把握していなかったことが視覚的に分かります。
特に学費に関してはハイエンド校からローエンド校まで幅広く、参考になるデータです。
【#15】2021年度版!クアラルンプールの インターナショナルスクール 、学費など統計データまとめ (主要58校)
カリキュラム
先日まとめた“クアラルンプール近郊の インターナショナルスクール 完全一覧”では主要58校を一気にご紹介しました。
これを見ると、クアラルンプールのインター校は以下の5つのカリキュラムを採用していることが分かります。
- イギリス式カリキュラム(ケンブリッジ式または国定カリキュラム)
- IB(国際バカロレア)
- オーストラリア式カリキュラム
- アメリカ式カリキュラム
- カナダ式カリキュラム
まとめると、以下のようになります。
カリキュラム別シェア
カリキュラム | 学校数 | シェア |
---|---|---|
イギリス式 | 47校 | 81.2% |
IB(国際バカロレア) | 6校 | 10.3% |
オーストラリア式 | 2校 | 3.4% |
アメリカ式 | 2校 | 3.4% |
カナダ式 | 1校 | 1.7% |
圧倒的にイギリス式の市場シェアが大きいですね。
マレーシアはイギリスが元宗主国ということもあって英語が共通語にもなっていますが、自動車もイギリス同様に右ハンドル(日本も右ハンドル)ですし、やはりイギリスの影響が強いということなんでしょうね。
5つの学費価格帯
ここでは、カリキュラムにかかわらず、学費の高い安いを段階別に区分けして、その分布をまとめました。
ここでいう学費は、いわゆるTuition Feeと呼ばれる授業料とし、今回の集計対象はYear7(セカンダリー1年生)とさせていただきました。
その理由は、プライマリースクール(Year1からYear6)とセカンダリースクール(Year7からYear11)のだいたい真ん中がYear7であること、そしてYear7の授業料を見ればその学校の各学年の授業料の傾向も概ね連動しているからです。
単純計算するため、ここでは、入学金、保証金、設備保全費、寮費、教科書代、制服代などの費用は学費に含めておりませんのでご了承ください。
(実際に入学時にかかる費用、学費以外に毎年かかる費用は、各学校のホームページで必ずご確認ください)
なお、価格帯のピッチは“40万円刻み”で区切らせていただき、以下の表のとおり定義させていただきました。
価格帯の定義 | 年間学費 (Year7) |
もっとも高い | 200万円以上 |
高い | 160〜200万円 |
中間 | 120〜160万円 |
安い | 80〜120万円 |
もっとも安い | 80万円以下 |
ということで、価格帯別の分布は以下のとおりです。
各学校の学費についてはこちらの記事
学費については、一般的に以下の2つの傾向があります。
- 都心や高級住宅街にある欧米系の先生が多い学校は、学費が高い
- マレーシア人の先生の割合が多く郊外にある学校は、学費が安い
上記のグラフデータを見ると、年間学費80万円以下のもっとも安い価格帯(年間80万円以下)の学校は19校、2番目に安い価格帯(80万円〜120万円)に属する学校も同じく19校あります。
この2つの“安い”に属する価格帯を合計すると67.8%となり市場の3分の2を占めています。
実際、親子留学でマレーシアに来る場合、学費の安い学校を選ぶ傾向は強いと思われます。できるだけ長くマレーシアで留学を続けるために、学費はできるだけ節約したいというのが親の本音だと思います。
最近、過剰な設備は削ってローコストオペレーションで勝負するLCC型の格安インターナショナルスクールが増える傾向にあり、年間学費80万円以下の“もっとも安い”価格帯、もしくは年間学費120万円以下の“安い”に属する価格帯がボリュームゾーンとなってきているので、コスパを重視するご家族なら、学校選びの際LCC型の格安インターナショナルスクールが狙い目になるでしょう。
カリキュラム別の平均学費
カリキュラム別に見た“Year7”の年間の平均学費は、以下のとおりです。
カリキュラム別ではイギリス式が圧倒的な市場シェアがあり、オーストラリア式、アメリカ式、カナダ式は学校数が少ないため、平均値を出す意味があまりないかもしれません。
特にアメリカ式2校のうちの1校は学費が高いことで有名な ISKL(International School of Kuala Lumpur)で、もう1校は学費が比較的リーズナブルな OASIS International School なので、ISKLの高い学費に平均値が押し上げられているからです。OASISだけ見れば、非常にお得感があります。
一方、イギリス式は47校あってサンプル数としては十分なので、この平均値は参考になります。イギリス式カリキュラムの学校を選ぶ際には、年間109万円の平均学費と比べて高いか?安いか?を参考にしてもいいのかなと思います。
IB(国際バカロレア)は学校数が6校と少なめですが、学費は高い傾向にあることが窺えます。学費が高めとはいえ、プライマリーの早い時期からIBに通えるのであれば、日本の私立IBスクールと比べて学費は安いかもしれない(一概には言えませんが…)で、魅力かもしれません。
カナダ式は Sunway International School の1校のみですが、一発試験を重視するイギリス式カリキュラムと違い、クラスワークと試験のバランスを重視するカナダ式カリキュラムは個人的に魅力を感じます。おまけに学費も安いのも非常に魅力。Sunwayの場合、プライマリースクールはないので、セカンダリーから入学を狙うということになります。学校選びの際、検討に上がってくる1校です。
https://go-for-it-malaysia.com/cambridge-01/
https://go-for-it-malaysia.com/cambridge-02/
学校の所在する場所
今回集計しているのはクアラルンプール近郊の インターナショナルスクール となりますが、行政区としてのクアラルンプールは非常に小さいエリアなので、クアラルンプール生活圏である周辺地域も含めております。
その代表はセランゴール州で、生活圏としてはクアラルンプールとほぼ一体と考えて構わないと思います。
ちなみに、首都クアラルンプール、行政首都プトラジャヤ、そしてセランゴール州との位置関係は、以下の地図を見るとよく理解できます。
クアラルンプール・プトラジャヤ・セランゴール州の位置関係
ベージュ色の部分がすべてセランゴール州です。
引用元: https://www.visitselangor.com/information/districts-map/
以上の前提を踏まえ、主要58校の所在するエリアは以下のとおりです。
主要58校のうち、クアラルンプール生活圏(クアラルンプール・プトラジャヤ・セランゴール州)にあるインターナショナルスクールの合計は51校(87.9%)となり、ほぼこのエリアに集中していることが分かります。
創立年
インターナショナルスクール 創立年の分布(5年刻み)
1985年以前創立の学校は伝統校
創立年はあまり気にしないご家族もあるかと思いますが、1985年以前に創立された学校は伝統校(名門校)が多いです。その代表格は、1946年創立の名門 Alice Smith School、絶好の立地にあるモントキアラの Garden International School、そしてアメリカンスクールの名門 ISKL(International School of Kuala Lumpur)あたりでしょう。
ただ、伝統校は学費が高い…(笑)
費用が高いのでなかなか簡単に選べる学校ではありませんが、もしこれら名門校に入るなら、教育や校風など肝心の中身も事前にチェックするようにしたいですね。
2006年以降に インターナショナルスクール が急増
グラフを見るとよく分かりますが、クアラルンプールのインターナショナルスクールが一気に増え始めたのは2006年以降です。
インターナショナルスクールの経営もビジネスなので、欧米のインターナショナルスクールと比較して安い学費の教育のニーズが一気に認知されて広まったのが2006年以降と言えます。
正直、現在のクアラルンプールのインターナショナルスクールは乱立状態なので、生徒獲得競争はかなり激しい状況です。(よくSNSで学校説明会の勧誘広告が出てきます)
なので、学費の価格破壊が起きているのです。
新設校はプロモーション価格を用意し、学費の割引を行って生徒獲得に躍起です。その安さは魅力ですが、実績のない学校は先生がコロコロ入れ替わったり、オーナーの意向で一気に集客するため体制が整わないなどのリスクが付き物です。入学前に、学校の中身(敷地面積や設備などハードの部分ではなく、教育の本質であるソフトの部分)をしっかりチェックすることをおすすめします。
イギリス式の場合、A-Levelまであるか?
イギリス式カリキュラムの学校は、ほとんどがプライマリー(小学校)からケンブリッジ式のIGCSEで締め括るセカンダリー(中高校)までありますが、その上の“Pre-U”と呼ばれるA-Levelを提供するシックスフォーム(Sixth Form)を用意している学校は、全体のほぼ半数に過ぎません。
https://go-for-it-malaysia.com/cambridge-01/
https://go-for-it-malaysia.com/cambridge-02/
シックスフォームがない学校からA-Levelを目指すなら、A-Levelプログラムを提供している他のインターナショナルスクールに転校するか、Sunway College や Taylor’s CollegeなどのCollegeが提供するPre-U課程に進学することとなります。
特に Sunway College は、イギリス式であるA-Level以外にも、オーストラリアのAUSMAT、カナダのCIMPといった他国のプログラムも用意しているので、このタイミングでどの国の大学に進みたいかを選択することになります。
AUSMAT(オーストラリア Pre-U)
https://sunwaycollege.edu.my/programmes/pre-university-foundation/australian-matriculation
CIMP(カナダ Pre-U)
https://sunwaycollege.edu.my/programmes/pre-university-foundation/canadian-international-matriculation-programme
マレーシアではイギリスの大学を目指す子が多いですが、オーストラリアやカナダへの道もこのタイミングで選択肢に入ってくるので、じっくり選びたいところです。
まとめ
圧倒的にイギリス式カリキュラムが多い
コスパの良いLCC型の学校も増えており、むしろそれが現在の主流
イギリス式以外にも、豪州式、アメリカ式、カナダ式のプログラムはコスパ含めて魅力あり
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次回に続く
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