“Go for it マレーシア教育移住日記”のブログにご訪問いただきありがとうございます。
2023年6月、我が家の息子は英国式インターの集大成であるIGCSE(中等教育修了資格)の試験が終了し、セカンダリースクールを卒業しました。
Year7からYear11までの5年にわたる我が家のマレーシア教育移住は、これにて一旦幕を閉じます。
インターを卒業した今、マレーシアでの5年間をざっと振り返り、親としての気持ちを書き残してみました。
ありがとうマレーシア! 留学の第1ステージとなる5年間を終え、息子がセカンダリースクールを卒業しました
セカンダリーを卒業しました
卒業式に参加する時、“おそらく涙が出るだろう…”という事前の予想とは裏腹に、親子ともども、まったく涙が出ない清々しい卒業式となりました。
思い起こせば2018年夏、右も左も分からない状況で我が家のマレーシア親子留学はスタートしました。
もうすぐ満5年となることに、「時間はあっという間に過ぎ去るなぁ…」と改めて感慨深い気持ちになります。
5年前にマレーシアに来た時の不安
Photo: 入学初日に撮った我が家にとって貴重な写真
彼は英語が解らないなりにもすぐに友達を作り、友達同士の会話の中で少しずつ英語を覚えていったと記憶しています。
一方の親である僕は、学校のアッセンブリーや面談で先生方の話す英語がまったく聞き取れず、当然自ら話す英語はたどたどしく、時には心臓がバクバクしてパニックになるんじゃないかと思ったこともあります。
“こんな状態で本当に長い留学生活をやっていけるのだろうか…?”
そんな不安が常に頭の中で大きな面積を占め、眠りも浅く、しばらくの間不安な日々が続きました。
しかし、人間とは環境に順応する動物です(笑)
どんなにオジさんでも、先生のブリティッシュイングリッシュにも徐々に慣れ、発する言葉数も増えていき、3年目を迎える頃には頭の中を占めていた不安は、気付かぬうちに雲散霧消していました。
辛かったロックダウンとオンライン授業
忘れもしない2020年3月16日、当時のマレーシアのムヒディン首相は初めてのロックダウンを宣言、3月18日以降は外出と移動が大きく制限されることとなりました。
これを受け、息子は春休みになって学校の寮からクアラルンプールの自宅に帰ってきましたが、3学期を学校で迎えることができるのか、まったく分からない状況でした。
マレーシアでは、ロックダウンをMCO(活動制限令: Movement Control Order)と呼び、一時期、私たち保護者の話題はMCOのことで持ちきりとなりました。
当初、州境を跨ぐ移動は原則禁止、スーパーマーケット、デリバリー、ガソリンスタンドは8時から20時までの12時間の営業に制限、車に乗っていいのは家族で1名、買い物は2日に1回という強烈な活動制限令が出されました。
ただし医療機関に通院するなどの避けられない場合は警察の許可があれば移動はOKなどのルールがあり、通院を理由に遠方からモントキアラまで遊びに来るという悪知恵が極端に働く強者ママ友もいたものです(笑)
その後、ロックダウンは時を経て緩和されていくこととなりますが、元々の“自由な生活”に近くなったのは2022年4月からだったので、丸々2年はロックダウンの規制により私たちの生活は大きく制限されていたことになります。
そのロックダウンの間、ほとんどの学校で授業はオンラインとなりました。
小学生のお子さんを抱える多くのご家族では、お母さんがPC操作を横でサポートしなければならず、複数のお子さんがいる場合は人手が足りません。この状況に“ギブアップ宣言”をして、ロックダウン下で1学期を過ごした段階で早々に日本に帰国する決断をしたご家族も多くいました。
我が家の息子は当時Year9だったので自分でPCの操作ができ、親がオンライン授業をサポートする必要はありませんでしたが、オンライン授業では集中力がもたず、Zoomの画面のチャットで友達と会話したつもりの隠語が誤って全員宛に送信され、先生からこっぴどく怒られ、親にも厳重注意のメールが送られてきたのを覚えています…(苦笑)
子供の生活を支える親の苦労
当時はスクールバスがなかったので、同時期にマレーシアに教育移住してきた日本人ご家族と協力し、送り迎えを当番制にすることにしました。
早くて片道50分の道のりを当番制で分担し合えたことは、大きな負担軽減につながりました。
当番制で親同士の絆も深まり、すでに日本に帰国された当時の親御さんとは今でもたまに食事に出掛けたり、LINEでいろいろ報告させてもらっています。同じ釜の飯を食った仲間というのは、いつの年代でも心を許せる友となるものです(笑)
息子が通学生時代の食事は、朝夕、僕が作っていました。朝はオニギリ、夜はクックパッドから新メニューを試してみたり、日本ではまったく料理をしていなかったので、料理をする楽しみを覚えたものです。
そして2年目には転校し、息子はボーディング生となりました。
これで毎日の送迎と食事の用意をする必要がなくなり、当初は「これで自分の時間が持てるぞ!」と喜んでいたのですが、いざその生活が始まってみると、ルーティンでやることがなくなってしまい、すっかり“腑抜けたオジさん”に成り下がってしまいました。
毎日決まった家事や仕事がないと、頭の回転は徐々に鈍っていくものです。思い出せないことが多くなり、人の名前が出て来なくなり、話そうとした事をしゃべる直前に忘れ、会話でも咄嗟に相手に反応することができなくなっていき、これはヤバいとかなりの危機感を覚えました。
その後、ブログを書くようになり腑抜け状態からは脱したのですが、教育移住している間の「やるべき仕事」や「自分の楽しみ」を見つけることは、親にとって長いマレーシア生活を充実させる大きな要素だと思います。
IGCSEに向かう息子を見ていて感じ続けたこと
ボーディングで子供が寮生活をしていると、親の目はまったく行き届きません。
学業に関して言えば、親の目が行き届かないことがボーディングの最大の懸念なのですが、案の定、我が家の息子もYear10になってからも自ら学習することなく、普段の生活の流れの中でのんびりとボーディング生活を送っていた様子です。
結果的に、息子の成績はYear10の学年末の成績まで低空飛行を続け、改善の兆しは一向に見られませんでした…(苦笑)
とはいえ、親がガミガミと「勉強しなさい!」と叫んでも、本人自らのやる気スイッチが入らないと身にならないことは明らかなので、そんな状況も受け入れ、Year10が終わった夏休みから、4科目でオンラインチューターを付けることにしました。
オンラインチューターなら“その時間だけは勉強するだろう”と目論んだのですが、その目論みには一定の効果はあったように思います。
一方で、学業は大事ではあるものの、子供をボーディングに入れる親が最も重視していることは「集団生活の中で人間性を成長させること」であり、「精神的に独り立ちすること(Independentになること)」です。
なので僕は、学業成績が期待通りに伸びなかったとしても、それはそれで構わないと思っていました。
学業成績が多少悪くても、マレーシアにはたくさんの進学ルートがあり、進むべき道はたくさんあるのです。
なので、IGCSE課程の2年間は学業の心配を多少はしつつも、“多感な中学生後半から高校生にかけての難しい時期に精神的に健全に育ってくれればそれでいい”と思ってきました。
結果的に、IGCSEの試験を無事に終えることができ、そして高校1年生の年代の男子としては素直でまっすぐ育ってくれたと思っています。
https://go-for-it-malaysia.com/the-first-year-of-alevel-at-epsom-college-in-malaysia/
IGCSEの成績発表は2023年8月16日
2023年5月3日からスタートした息子のIGCSEの試験は、6月7日で終了しました。
1ヵ月を超える長丁場の試験期間を終えた息子は、最後の試験が終わったその日に帰宅し、その後は卒業式までフリーとなりました。
2023年のMay/JuneのIGCSE試験の結果は、8月に発表されます。結果発表日は、エグザムボードによって次のように異なります。
IGCSE(2023年May/June)の
成績発表予定日
- ケンブリッジ (Camridge):8月16日
- エデクセル (Edexcel):8月24日
我が家の息子はMathsがエデクセルで、それ以外の7科目はケンブリッジでした。
Mathsの結果が出ないと次の進路には出願できないので、8月下旬のエデクセルの成績発表まで気長に待つこととします。
https://go-for-it-malaysia.com/graduating-from-international-school-in-malaysia/
https://go-for-it-malaysia.com/the-best-part-of-education-in-malaysia/
次の進路までの束の間の休息
普通なら、セカンダリーを卒業した後に間を空けることなく次の進路に進むところですが、息子は4月生まれで学年を落とすことなくここまで進んできたので、少しゆっくりしてもいいかなと僕は思っています。
そのため、在籍していた学校のAレベルにはそのまま進まずに、半年くらいギャップイヤーを取ろうと思っています。
進路の候補は、Aレベル、国際バカロレア(IBDP)、CIMP(カナダ式高校卒業資格)、AUSMAT(豪州式高校卒業資格)、ファウンデーションコース、ディプロマコースなど様々ありますので、IGCSEの成績結果が出てから、どの道に進むかを親子でじっくり考えたいと思っています。
ちなみに、ギャップイヤーは日本でアルバイト、音楽教室、語学資格の勉強などの選択肢があり、もしかしたら中国語の短期語学留学もするかもしれません。
彼はもう16歳になりましたので、自分で決めてもらいたいと思っています。
ありがとうマレーシア(^^)/
5年間は長い旅路でしたが、親子ともども、今は充実感に満ちた清々しい気持ちでいっぱいです。
16歳の6月末に帰国するなら「2学期から日本の高校1年に編入」という選択肢もありますが、我が家は日本の高校は考えておらず、現時点では日本の大学進学も考えていません。親としては、大学こそ海外で学んでもらいたいと思っています。
留学の第2ステージとなる大学予備課程(Pre-Univesityプログラム)は日本以外の国で学ぶ予定ですが、それはマレーシアかもしれないし、どこかよその国かもしれません。
いずれにしても、IGCSEを修了した生徒には大きな可能性が拓けます。その可能性を与えてくれたマレーシアには、心から感謝しています。
See you, Malaysia ! 😊
たくさんのことを経験させてくれた5年間、本当にありがとう。
まとめ
コロナパンデミックがあったが故に苦労も多く、振り返ると感慨深い5年間だった
いつも私たち親子を温かく迎え支えてくれたマレーシアに心から感謝
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次回に続く
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